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  1. 東京都議会 1997-06-03
    1997-06-03 平成9年_第2回定例会(第9号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時二分開議 ◯議長(熊本哲之君) これより本日の会議を開きます。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(熊本哲之君) 傍聴席の方々に申し上げます。  会議中は、ご静粛にお聞きくださるようお願いいたしておきます。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(熊本哲之君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(熊本哲之君) 次に、日程の追加について申し上げます。  知事より、東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について外人事案件二件が提出されました。  これらを本日の日程に追加いたします。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(熊本哲之君) これより質問に入ります。  百十一番藤沢志光君。    〔百十一番藤沢志光君登壇〕 ◯百十一番(藤沢志光君) 私は、都議会自由民主党を代表して、当面する都政の重要課題について質問をいたします。  我が国は、戦後半世紀を経て、ようやく世界有数の豊かな国となり、世界に誇るべき長寿社会を達成しました。しかし、今後、世界にたぐいのない速さで進む高齢化と少子化は、国民負担の上昇と我が国経済の潜在的な成長力の低下につながる要因をはらんでおります。  こうした状況の中で、夢のある二十一世紀への展望を切り開き、豊かで活力のある日本を我々の子や孫に引き継いでいくことこそが、私どもに与えられた責務であります。そのために、行政改革や財政構造の改革などを積極的に進めることが焦眉の急となっております。  私ども都議会自由民主党は、四年前、四十四名の同志とともに、この社会的大改革に積極的に取り組み、新たな創造へ向かう活動を開始いたしました。そして、この変革の時代を、輝かしい二十一世紀へのステップとして乗り切っていく決意を胸に、責任政党として、都民の皆様と一体となって、都民福祉の向上と地域社会の発展のために、多彩な政策を推進してまいりました。  本定例会は、我々十四期都議会議員にとって最後の定例会であります。私は、我が都議会自由民主党が歩んできた都政を振り返り、今後の都政を展望しつつ、都政が直面する課題について質問をしてまいりたいと思います。
     まず、財政健全化について伺います。  都財政の健全化は、二十一世紀の東京の活力を維持していくために、緊急に取り組むべき重要な課題であります。問題の先送りは、将来の都民生活を大きく損なうものであります。しかし、財政健全化は、まだ道半ばであり、手綱を緩めれば、これまでの努力は水泡に帰してしまうという危機感を我々は持っております。確かに九年度予算では、都債を三五・四%と大きく削減し、当面は起債制限団体への転落の危機を乗り切ることができました。しかし、その中身を詳細に検討しますと、基金運用金の償還繰り延べなど、隠れ借金ともいえる特別な財源対策で、多額の財源不足を補っているのであります。やりくりによる財政運営という都財政の本質は、現在もほとんど変わっていないのであります。  先般発表された財政健全化に向けた当面の取り組み方針によりますと、十年度における財源不足は、財政健全化計画での見込みを上回る三千百億円に上るとのことであります。この財源不足を特別な財源対策なしに解消するという計画目標を達成することは、並大抵の努力では不可能であります。  今回の方針は、財政健全化に向け、都の不退転の決意を示すものとして、一定の評価をするものではありますが、財政健全化の目標達成にどのように取り組むのか、知事の所見をお伺いいたします。  次に、経費削減の努力について伺います。  昨年度予算において、都は、公共事業費にシーリング制度を設け、抑制に努めましたが、計画実施二年目の十年度に向けては、削減目標の達成を目指すと同時に、次のステップとして、中身の問題に取り組むべきであります。必要な分野には重点的に財源を投入し、事業効果を最大限に高める公共事業の改革が求められているのであります。公共事業費の見直しに当たっては、一律の削減ではなく、事業分野別に重点化を図ることのできる方法を講じるべきと考えますが、所見を伺います。  もう一つ忘れてならないのが、都みずからの努力であります。都民の方々の理解が得られなければ、都財政の健全化という課題の達成はおぼつかないのであります。しかしながら、都民の目から見れば、都庁はまだまだ努力が足らないといわざるを得ません。とりわけ、外郭団体などは議会の目も届きにくく、これまでコスト意識に乏しい経営が平気でまかり通っていました。放漫経営のツケは、最後は大きな都民の負担となってまいります。  九年度予算では、外郭団体などに対する補助金にメスが入れられましたが、財政支出のあり方そのものについて、なお根本的に検討すべき点も認められます。例えば、補助金の例を挙げますと、現行システムでは、経営努力で経費を節減しますと、翌年度の都からの補助金が減ってしまうという結果にもなりかねないのであります。都で実施する経費節減策を団体においても行うことはもとより、団体の経営努力の成果が補助金の算定に評価されるような仕組みをつくるべきと考えますが、これらについて知事の所見を伺います。  財政健全化はさまざまな困難があり、その一つ一つの改革が痛みを伴うものであります。しかしながら、都庁内の現状を見ますと、残念ながら全くその危機感が感じられません。かつて五十年代の財政再建に当たっては、鈴木前知事は、みずからの給料を半分にし、そして管理職手当の削減やベア凍結など、職員もその痛みをともにし、知事を中心に都職員全員が一体となって、共通認識のもとに、それこそ財政再建に命をかけて取り組んだのであります。  ところが、九年度予算は、残念ながらその気迫もなく、内容についても、ぎりぎりの努力内容といえるものではありません。職員みずからが血のにじむような内部努力をした上で、全都職員が知事のもとで一体となって財政の健全化に取り組んでいくことが必要であると考えます。改めて、財政健全化に向けた知事の決意をお尋ねをいたします。  次に、都税に関連して伺います。  財政健全化計画の中で、歳入確保努力の中心を占めるのは、申すまでもなく都税収入であります。主税局においては、滞納整理促進のために臨時執行体制をしき、努力した結果、滞納額の圧縮に相当の成果が上がりつつあると聞いております。本年度も、引き続き都税の徴収率向上について高い目標を掲げておりますが、納税者の状況にもきめ細かな配慮をしつつ、積極的な取り組みを希望しておきます。  私は、さきの予算委員会で、大都市の高コスト構造を見直していく中で、都民生活と密接な関連のある固定資産税、都市計画税などについては、さらに負担を軽減しつつ、都民生活への直接的な負担につながらないところに新たな税源を求める努力をしていくべきであり、まずは国に問題提起をすべきではないかと質問をいたしました。  折しも、今回、平成十二年四月から特別地方消費税を廃止する都税条例の改正が提案されました。このことは、都民負担の軽減を求める私どもの主張が反映された結果であると受けとめておりますが、一方では、三年後には三百億円近くの財源がなくなるという事態にも目を向ける必要があります。  こうした事態を踏まえ、今後、高負担感のある税については減税を行い、一方では、それに対応する税源を確保していくためにどう取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  次に、行政改革について伺います。  都は、行政改革大綱を定め、行政改革推進本部のもとに、着実にその実現を図ってきました。私は、基本的にはその姿勢を評価するものであります。しかし、行革大綱が取りまとめられた平成七年度の時点では、財政危機に対する認識は、現在のように深刻ではありませんでした。現に、財政健全化の実施案の策定に当たっては、当時とは比較にならないほどの厳しさが感じられるのであります。また、二月に策定された生活都市東京構想は、東京では人口や経済、財政、いずれも右肩上がりの時代が終わり、成熟社会を基本にした都政運営が必要であることを明らかにしました。  こうした前提のもとに、現在の都の行財政の運営状況を見ますと、まだまだ取り組むべき課題が多く残されているといわざるを得ません。まず、これまでの右肩上がりの考え方を捨て、高齢・少子化による人口減少を初め、経済社会のグローバル化など、これまでとは状況を異にする現実に迅速に対応するためには、都政全般にわたり、組織や事業の執行方法を根本的に見直すことが必要であります。  行革大綱を取りまとめた後の状況の変化を踏まえ、新たな指針づくりなど、積極的に行政改革に取り組むべきと考えますが、この際、今後の行財政改革に臨む知事の基本的な姿勢と決意を伺います。  次に、東京都監理団体について伺います。  知事は、団体の改善策として、団体数の一割削減を挙げられましたが、具体的な団体の統廃合について、いまだ明らかにされておりません。速やかに団体の統廃合のメニューを都民の前に明らかにすべきと考えますが、今後これらの削減策をどのように実施していくのか伺います。  また、先般、知事は、経営評価制度をまとめられました。我が党は、自主性と独立性を尊重した責任ある団体運営を推進するためには、都の関与を極力軽減し、団体みずからの経営努力を求め、監理の必要な団体にあっては、都として一貫した経営指導を強化すべきと主張してきたところであります。特に経営が思わしくない団体などについては、経営改善は待ったなしの状況にあります。速やかに団体の改善目標を明らかにするなど、経営評価制度を実効性のあるものにすべきと考えますが、知事の所見を伺います。  なお、この際、事務事業の見直しに関連してお伺いいたします。  都議会議員選挙を目前に控え、最近、高齢者に交付しているシルバーパスが廃止されるような、また、廃止すると誤解されるような主張を殊さらに喧伝し、高齢者を初め都民を惑わせ、不安に陥れている動きが見られます。都議会自由民主党としては、低所得者に対するシルバーパスの交付については、有用性を認めこそすれ、廃止については一切主張したこともなく、また、廃止について具体的に政治上、行政上の日程に上っていることも全く承知していないのであります。  そこで、知事にお伺いいたします。巷間、一部で意図的に流布されているシルバーパスの廃止について、現在検討がなされているのかどうか、明快なご答弁をいただきます。  都議会自由民主党は、都議会第一党としての責任を自覚し、都政の実情を都民に正しく訴え、汗を流し、泥をかぶり、財政健全化に取り組み、都政百年の大計のもとに都政を担っていくことを改めて誓うものであります。  次に、都市づくりについて伺います。  都市づくりの分野においても、平成五年から今日に至るまで、まさに激動の真っただ中にあるといえます。バブル経済がはじけ、地価が大きく下落する一方で、日本経済の空洞化が進行しており、今後、経済面での停滞から都市基盤整備の投資は著しく制限される状況となっております。また、一方では、日本経済の活力を呼び戻すためにも、首都機能の移転を実行すべきであると、論点をすりかえた主張も出ております。  今後、東京の都市づくりにおいては、生活にゆとりと豊かさを求める都民の要求が高まる一方で、高齢者が人口の四分の一近くを占め、子供の数は一層少なくなることが見込まれる等、東京の活力や魅力がこのまま維持、増進されるのかどうか、都民の間には漠然とした不安が広がっております。二十一世紀に向けて、東京はどのような都市となるのか、東京都として明確に提示していくことが今求められているといえるといえます。  その意味で、三千二百万人の人口を擁する東京圏の中心である東京を舞台として、二十一世紀に向けた都市づくりの方向を探っていこうとしたものが世界都市博覧会であり、その開催は極めて有意義なものであったのであります。しかしながら、知事の判断によって中止となってしまい、貴重な機会を逸したものと残念でなりません。  我が党は、去る五月、来る二十一世紀に向けて東京を共生都市として整備することを骨子とする提言を「ハロー!! 元気な東京」、「共生都市・東京」の創造を目指してとして取りまとめ、発表したところであり、東京から新しい波を巻き起こし、もっと元気な東京、新鮮な活力あふれるみずみずしい東京を目指すこととしております。  この提言では、まず、防災と住宅の二つを、都市経済の活力アップとして景気回復への波及効果が期待でき、都民ニーズにこたえる緊急プロジェクトとして提起しました。さらに、今後、重点的に取り組むべき施策を、都市構造、交通網・通信体系の整備、コミュニティの活性化など十項目に集約し、東京活力アップ──いきいきプラン10として掲げました。私どもは、我が党の提言をもとに、東京の明確な将来像を公にすべきであると主張するものであり、大いに議論をしていきたいと考えております。  そこで、我が党が重点と考える都市づくりの施策について、順次、都の見解を伺いたいと思います。  まず、都市づくりの基本的方向についてであります。  都においては、これまでも時期をとらえて、均衡のとれた都市づくり検討プロジェクトチーム等を設置し、集中問題への対応、職と住のバランス是正など、都市づくりの基本的な方向を積極的に検討し、順次政策に反映してきており、我が党としても、それなりの評価をするところであります。しかしながら、東京は、今、人口の減少、少子・高齢化の進展、経済の低迷等、大きな曲がり角に立ち、未来への重大な選択を迫られております。  そこで、今こそ、二十一世紀から二十二世紀までも視野に入れ、長期的な視点に立って東京の都市づくりの基本的な方向について検討していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。  次に、我が党が緊急プロジェクトに位置づけている防災についてであります。  さきの阪神・淡路大震災では、六十六ヘクタールに及ぶ面積が焼失するという大被害を受けたのでありますが、都において、関東大震災規模の地震が発生しますと、二十三区内だけでも一万四千ヘクタール、阪神・淡路大震災の何と二百倍を超える焼失面積が想定されるのであります。  これらの教訓及び想定から、我が党は、防災を緊急プロジェクトに位置づけ、対策の一層の促進を要望してきたところであります。その場合、いざ被災した場合の復興の進め方についても、日ごろから研究、準備しておくことの重要性が、阪神・淡路大震災の教訓からも強く提起されております。  こうした教訓を踏まえ、都では都市復興マニュアルを策定しましたが、その意義と目的について伺います。  また、このマニュアルとさきに策定した防災都市づくり推進計画との関係、及び都民への周知など今後の取り組みについてあわせて伺います。  続いて、同じく我が党が緊急プロジェクトに位置づけている住宅対策について伺います。  我が党は、従来から、都心部の人口回復に向けた都の積極的な取り組みを求めてきましたが、昨年九月には、都議会自由民主党としても、都心部における土地の有効利用と良質で低廉な住宅の供給の促進策などから成る東京の都市政策に関する要望を取りまとめ、党本部に強力に要請するなどの活動を進めてまいりました。こうしたことを受け、今回、国から、大都市の中心部で、容積率などの建築規制を大幅に緩和する都心居住推進策が打ち出されたところであります。  我が党としても、こうした取り組みについて高く評価をするとともに、都が国と連携して、都心居住の推進に向けて、一層の取り組みを進めていくよう求めるものであります。  そこで、都心居住の推進にかかわる具体的な取り組みについて何点か伺います。  一点目は、容積率の緩和等を通じた都心居住の推進に当たっては、地価高騰の防止や居住環境に十分に留意することが必要であると考えますが、所見を伺います。  二点目は、東京都心居住推進本部についてであります。  この本部は、去る四月三十日、都、区、建設省、住都公団が参加して設置されたものでありますが、二十三区のうち五区については、第一回目の会合に参加を見送っている状況にあります。都心居住は、関係する区すべての協力のもとに、地元区のまちづくり計画との整合性を十分に図りながら進めていくことが必要であると考えますが、この組織をどのように運営していくおつもりなのか伺います。  三点目には、今回、国から発表された一連の都心居住推進のための施策の中に、敷地の集約化を目的とした土地区画整理事業民間都市開発推進機構の活用などが盛り込まれておりますが、これは国の担保不動産等流動化対策の中にも盛り込まれております。この担保不動産対策と都心居住推進対策とはどのように関連するのか、しないのか、都としてどのように考えているのか伺います。  四点目は、都心居住の推進に係る施策の総合性の確保についてであります。  現在、国会でも審議中の都市計画法等の改正案を見ますと、高層住居誘導地区の対象区域はかなり限定されていること、また、道路等が十分に整備されていない地区においては、容積率の緩和を行ったとしても、道路斜線制限や道路幅員による容積率制限など各種の建築規制が働くことなどから、その効果が十分に発揮できないことも考えられます。こうした課題に都はどのように対応するのか、所見を伺います。  都心居住の推進は、都心部における人口の回復だけでなく、ゆとりと潤いのある職住バランスのとれた都市の実現のために、さらには東京が将来にわたってその活力を維持向上させていく上でも、極めて重要な課題であります。今回打ち出された施策も含め、さまざまな手法を駆使して都心居住の推進に努めていく必要があると考えますが、今後、都心居住の推進に向けた知事の決意を伺います。  次に、まちづくりの基本である東京の都市構造の再編について伺います。  これからの東京の都市構造の再編に当たっては、副都心や多摩の心のより一層の育成整備を推進するとともに、都心部のあり方も含め、東京全体を視野に入れた再編が必要であると考えます。  都は、ことし二月に生活都市東京構想を発表し、多心型都市の新たな展開として、区部中心部、副都心と多摩の心、さらに臨海副都心についてそれぞれ整備していくこととしており、我が党の主張と一致するものであります。このうち、副都心と多摩の心については、今年度、それぞれ整備計画を策定し、育成整備を進めることとしておりますが、副都心、多摩の心について、それぞれどのような市街地の整備を進めていこうと考えているのか、所見を伺います。  次に、臨海副都心についてでありますが、臨海副都心は、レインボータウンと愛称もつけられ、先日のゴールデンウイークも、身近な憩いの場として多くの都民を集めております。また、今後の臨海副都心の整備の方向を定めた臨海副都心まちづくり推進計画も三月三十一日に決定され、今後のまちづくりに対する都民の期待は膨らんできております。  そうした期待に一日も早くこたえるためにも、早期にまちのにぎわいを創出できる暫定利用を進めることが重要であります。現在、その審査を行っているところと聞いておりますが、選定に当たっては、臨海副都心の発展に大きく寄与する案を選定すべきと考えますが、所見を伺います。  次に、第二次公募についてであります。  第二次公募については、実施方針が出されておりますが、今後どのように進めていくのか、また、都民に夢を与え、ひいては、東京の将来の発展にとって不可欠である臨海開発をどのように進めていくのか、知事の決意を伺います。  一方、都心を初めとする区部中心部については、去る四月、区部中心部整備指針を策定し、今後の都心や都心周辺地域の整備方向を示したところであります。我が党は、今後、この指針に沿った都市づくりが、区部中心部において積極的に進められることを強く要望するものであります。  最近、特に都心の東京駅周辺においては、丸ビルの建てかえ計画を初めとして、幾つかの建築計画が明らかになる等、活発な動きが見られております。区部中心部整備指針を具体的に実現させていくためには、こうした建築計画にも反映させていくことが大切であります。このためには、都として、この地域の具体的な整備ビジョンを早期に提示していくことが必要と考えますが、所見を伺います。  次に、都民一人一人の身近な地域におけるまちづくりの展開について伺います。  都は、本年二月策定した生活都市東京構想において、生活心の整備を重点事業の一つに位置づけたところでありますが、その具体的な取り組みの方向は明らかになっておりません。  我が党は、今回の提言において、東京活力アップ──いきいきプラン10の一つにコミュニティの活性化を掲げ、人々の多様な活動、交流の場となる地区を生活心とし、区市町村のまちづくりを支援しながら、人々の心のきずなを育てる協働のまちづくりを進めることを提言いたしました。  そうした生活心の育成を具体的に進めていくためにも、生活心の内容をさらに明確化するとともに、モデルとなる地区を数カ所選定し、先行的に事業を展開する等、具体的かつ積極的な取り組みが必要と考えています。今後の取り組みについて見解を伺います。  次に、交通基盤の整備についてであります。  我が党は、東京活力アップ──いきいきプラン10の一つに、通信体系、交通網の整備として、交通網の早急な整備により、通勤難や交通渋滞をなくし、利便性の高い安全で効率のよい都市の構築を掲げたところであります。二十一世紀の東京が、都民にとって暮らしやすい生活都市であり、かつ世界に開かれた国際都市であるためには、活発な都市活動や都民生活を支える鉄道や道路等の交通基盤の整備が不可欠であります。  そこで、鉄道の整備について伺います。  東京圏の鉄道網は、都心を起点とする放射方向が中心であり、新たな環状路線の整備が待望されているところであります。この区部周辺部の環状公共交通については、地元でも大変な熱意をもって推進活動を進めてまいりました。とりわけ、従来、別々に活動していた区部西部六区のエイトライナー促進協議会と東部三区のメトロセブン促進協議会が、一日も早い環状鉄道の実現のため、四月二十二日、沿線九区を代表して、世田谷、江戸川両区長により、エイトライナー・メトロセブン連携宣言を行ったところであります。両促進協議会では、次期運輸政策審議会の答申路線に位置づけられることを当面の目標に、促進活動をさらに強化していくとしておりますが、このような地元の熱意を都ではどのように受けとめ、取り組んでいくのか伺います。  最後に、空港問題について伺います。  我が国のこれからの発展や世界に開かれた国際都市としての東京の役割並びに首都圏の利用者の利便性の向上を考えますと、成田、羽田両空港の適切な機能分担についての見直しが不可欠であると考えます。我が党としても羽田空港ハブ化対策委員会を設置し、羽田の国際ハブ化を今回の都議選の公約として掲げ、積極的に推進をしているところであります。羽田空港の国際化とハブ化の波及効果は、経済効果、雇用創出など東京の活性化はもとより、国内外に与える影響は極めて大きいものがあり、私たちの目指す「元気な東京」をつくっていく大切な切り札になるものと思います。  本年三月には、羽田空港の新C滑走路の供用が開始され、それに伴う四十便の増便が決定されるとともに、二十四時間空港化に向け、ますます機能の拡充が図られつつあります。そこで、まず、今後どのようにして国際便の導入を実現していくのか、その手順と見通しについて伺います。  また、滑走路の沖合移転に伴う二百ヘクタールの跡地は、国際化を前提に検討を進めるべきと考えますが、所見を伺います。さらに、交通渋滞の解消と羽田へのアクセスの強化のために、京浜急行線の連続立体交差化計画を促進すべきと考えますが、今後の取り組みについて伺います。  次に、保健医療体制の整備について伺います。  近年、少子・高齢化の急速な進展やエイズ等の新たな感染症の拡大など、保健医療を取り巻く状況は大きく変化しております。国においては、新ゴールドプランやエンゼルプラン、障害者プランなど、主要な計画が相次いで策定されました。また、高齢者の社会的介護システムの導入を目指す介護保険法案の国会審議も大詰めを迎えております。  このような近年のドラスチックともいうべき社会経済状況の変化を踏まえて、保健医療施策の基本的計画である東京都保健医療計画が来年改定されると聞いております。改定に当たっての知事の基本的な考え方を伺います。  また、現在国会で審議されている医療法の改正案が成立した場合、都の保健医療計画に大きな影響を与えると思いますが、その内容と対策について伺います。  最後に、計画の改定に当たっての都民参加について伺います。  保健医療施策は、都民の日常生活に密着しており、計画には都民の声や意見を十分反映すべきと考えますが、ご所見を伺います。  次に、青少年の現状に関連して質問いたします。  最近の青少年の現状は、まことに憂慮すべきものがあります。おやじ狩りと称して、集団で大人を襲い、金品を巻き上げるという事件、ささいなことに腹を立て、短絡的に暴力行為に走る無軌道な若者たち、また、麻薬が青少年をむしばみ、それに起因した犯罪も決して珍しいことではなくなっております。さらに、暇だから、お金が欲しいからという理由でテレクラへ電話をしたり、援助交際と呼ばれる売春同様の性非行が行われていると喧伝されております。  これからの社会を支えていくのは、今の青少年にほかなりません。青少年たちを健全で自立した社会人に育てていくことは、我々大人の責務であると考えます。そこで、都、区市町村、都民が一体となった青少年健全育成のための都民運動や、青少年の性的自己決定能力を高めるための総合的な施策の推進が必要と思います。知事のご所見と今後の取り組みを伺います。  また、都教委の現状認識と、性教育や薬物の乱用防止についての教育の場での取り組みについてもあわせて伺います。  ところで、今定例会にテレホンクラブ等営業及びデートクラブ営業の規制に関する条例案が提案されましたが、この条例案は、多くの都民から提出されたテレホンクラブの営業規制を求める請願陳情にこたえたものであり、早期に条例成立による規制が待たれていたものであります。  この条例案は、内容においても、デートクラブを規制対象としたこと、はんらんするテレクラ看板など違反広告物の除去ができること、環境改善活動の推進を都や都民を初め業者にも求めていること、また、知事と公安委員会が連携を図りながら施策の実施に当たるなどとされており、テレホンクラブ規制に対する積極姿勢を評価するものであります。条例制定後は、営業者はもとより、広く都民に周知するとともに、積極的な環境改善活動を行い、青少年にとって良好な環境づくりに努めていただきたいと思いますが、都の対応策について伺います。  また、この条例案の実効性を担保するために警視庁としてどのように対処するお考えか、ご所見を伺います。  ところで、テレホンクラブの営業規制について早急な対応が図られましたが、青少年を性非行に陥らせないためには、女子中高生を買春の相手とする大人を処罰する規定が必要であります。青少年に魔の手を伸ばす大人は、テレホンクラブに限らず、さまざまな機会を使って青少年を性の欲望の対象としようとしております。買春等処罰規定を盛り込んだ青少年健全育成条例の改正を、できるだけ早い時期に提案されることを期待しておりますが、今後の見通しと知事の決意を伺います。  子供たちの健やかな成長は、大人一人一人の責任であり、国家の未来にかかわる重要な課題であることを改めて主張しておきたいと思います。  次に、中小企業対策についてお尋ねいたします。  都内中小企業は、東京の産業や地域社会の活力の源として、また、都民の雇用の場として、東京の発展に大きな役割を果たしております。しかし、中小製造業は大企業の海外進出や輸入品の増加等の構造変化のもとで、受注の減少や単価の引き下げなどにより、転廃業へと追い込まれ、空き工場が目立つなど、かつて経験したことのない厳しい状況に直面しております。これは、単に工場数の減少という問題にとどまらず、地域の物づくりネットワークの弱体化を招き、技術力や試作加工機能を低下させ、また、多くの就業の場の喪失をもたらしております。  都が、こうした地域の活性化を図るため、地元の区市町村や商工会、商工会議所等と連携し、工業集積地域活性化対策や空き工場対策等の事業を行ってきたことは高く評価できるものであります。現在の厳しい財政状況のもとで、都がすべてをみずから実施することは困難であり、また、現実的でもありません。したがいまして、こうした連携が一層重要であります。  商工会や商工会議所は、都内小規模企業者に対し、経営改善の指導を通じ、地域の商工業振興を図り、地域社会の発展に貢献しておりますが、その果たす役割は、ますます重要になると考えます。都は、こうした商工会、商工会議所と一層連携を密にし、施策の効果的推進に当たるべきと考えますが、所見を伺いたい。  次に、商店街対策について伺います。  都内には約二千九百の商店街があるといわれておりますが、これらの商店街は、生鮮食料品を初め、日常生活に必要な商品やサービスを提供するだけではなく、地域コミュニティの核として地域社会に欠くことのできない存在であります。  しかし、近年の規制緩和による大型店の出店や、後継者難などにより転廃業する小売店がふえております。このような状況が続きますと、空き店舗が増加し、商店街の活性化に大きな障害となるばかりでなく、地域活力の低下も懸念されます。しかも、大店法のさらなる見直しが予定され、大型店との競争がますます激化することが予想されます。  我が国の大店法は、経済的側面からの調整を目的としておりますが、外国の例を見ますと、フランスでは、ロワイエ法により都市計画の側面からも出店規制が行われており、また、イギリスやドイツでも同様であると聞き及んでおります。もちろん、地域商店街が大型店とすみ分けを図り発展するためには、対面販売や地域における触れ合いイベントの実施など、大型店にはない強みを発揮し、地域の住民にとって魅力的な商店街となることが基本でありますが、都市計画を踏まえた行政の支援もまた重要であります。  さきに発表された生活都市東京構想では、身近な生活圏のまちづくりを掲げておりますが、こうしたまちづくりの観点からの支援は急務であると考えます。このためには、商工部門のみにとどまらず、まちづくり部門との施策連携を図り、地域商店街振興に向けた抜本的支援策を講ずべきと考えますが、ご所見を伺います。  次に、循環型社会づくりについてお伺いします。  我が党は、都議会議員選挙に向けて共生都市東京の旗を掲げ、これ以上の自然破壊を許さず、持続可能な開発へと移行することを主張してまいりました。知事は、今定例会の所信表明で、循環型社会づくりへの取り組みを強調されましたが、これは、私たちのいう持続可能な開発という考え方を都政の隅々にまで生かすことにほかならないと理解してよろしいのか、知事の真意をお伺いいたします。  循環型社会づくりには多くの課題がありますが、その中心に据えるべきなのは、一つの産業の廃棄物が別の産業の原料となるような経済の仕組み、すなわちゼロエミッション型経済への転換を図ることであります。私は、中小企業が高い技術力を持ち、環境に調和した都市型工業への転換を課題とする東京においてこそ、真剣に検討されるべきものと考えます。こうした課題に今後どのように取り組まれるおつもりか、知事の所見を伺います。
     循環型社会の実現は、旧来の社会システムや個人のライフスタイルの変更を意味します。したがって、これに取り組むには、既存の施策の枠を越える発想と従来のしがらみを克服できるような強力な推進体制が必要であります。同時に、都民や事業者の皆さんとの協働により、都民運動を展開し、さらに、この運動を東京から全国へと波及させ、循環型社会づくりを目指す一大国民運動へと発展させる必要もあります。今後の循環型社会づくりの進め方について、知事の所見をお伺いいたします。  次に、古紙リサイクルについて伺います。  最近の報道によりますと、古紙価格の暴落から、多くの自治体が業者から古紙の引き取り停止の申し入れを受けているとのことでありますが、これに対する都の対応策をお伺いいたします。  さて、本年四月より、東京ルールとして、ペットボトルの新しい回収システムが開始されました。中間処理及び再商品化を担うべき容器・内容物メーカーは不参加となっておりますが、現在までの進行状況及び容器・内容物メーカーとの協議の実情について伺います。  また、この六月から、東京ルールIに基づく古紙や瓶、缶の資源回収モデル事業が開始されましたが、あわせてその取り組みについてもお伺いいたします。  東京のごみ問題の解決に当たっては、ひとり行政のみの責任ではなく、都民、事業者がそれぞれの役割と責任を果たしていくことが必要であることは、我が党も理解をしております。今後も、ごみ問題解決のために、さまざまな施策を進めていく上では、都民や事業者の理解と協力をぜひとも得る必要があります。  都は、快適で清潔な生活環境を維持し、次の世代にかけがえのない地球を引き継ぐために、さらなる努力を続けていく必要があると考えます。そこで求められるのは、知事みずからが本気で陣頭に立って行動することであります。知事の決意のほどを伺います。  最後に、教科書の採択について伺います。  平成九年度から荒川区で使用している中学社会、公民的分野の教科書には、昨年度展示された採択前の、いわゆる見本本の段階の記述とは異なったものがあります。しかも、変更された内容は、その教科書を使用する荒川区の福祉行政にかかわるものであり、荒川区が把握している事実とは異なる部分があると聞いています。このような教科書を使用することは、教育上好ましいことではなく、さらに、行政に対する区民の信頼を著しく損なうものであると考えます。  このように、記述内容に重要な疑義があるようなケースにおいては、教科書への掲載の取りやめの措置が必要であり、少なくとも当該区においては、使用教科書の変更を可能にする余地を残すべきであります。  そこで、荒川区が使用する教科書の採択をやり直すことができるよう、都教委として国に働きかける考えはないか、教育長の見解を伺います。  これで私の代表質問を終わりますが、私どもの任期も、残すところ、あと一カ月余に迫ってまいりました。任期中のこの四年間、振り返りますと、感慨無量のものがあります。  青島知事は、世界都市博の中止に端を発し、国内外における都政の信頼を失墜したばかりでなく、国際社会を視野に入れた経済的、文化的、科学的環境づくりを弱体化させ、国際都市東京のたどる筋道さえ明らかにしておりません。社会、経済、文化、すべての分野におけるグローバル化は、従来の我が国における社会的規範を初め、政治経済システムの変革を求めております。我が国の社会経済システムをどのような方向につくりかえていくのか、生活の構造をどのような方向に変えていくのか、長期的展望と戦略が今求められているのであります。  私ども自由民主党政府は、行政改革、財政構造改革、経済構造改革、金融システム改革、社会保障改革を優先課題に掲げ、教育改革を含め六大改革を緊急課題として、橋本総理大臣の表現では、火だるまとなって取り組んでおります。  都議会自由民主党は、厳しい財政環境の中にあっても、都政の使命は、高齢者福祉、防災対策、中小企業振興対策、リサイクル型都市づくりの推進など、緊急かつ重要課題に的確に対応して、都民が安全で安心して住み続けられる東京を築き上げることであるとの認識のもとに、その実現に全力を尽くしてまいりました。  東京自民党は、二十一世紀を目前に、東京の新しい秩序を形成するとともに、自然を守り、自由でみずみずしい共生都市東京の構築を図り、ゆとりと潤いのある安全、安心の東京づくりを目指し、全力を尽くしていく決意であることを申し上げて、私の代表質問を終わります。(拍手)    〔知事青島幸男君登壇〕 ◯知事(青島幸男君) 藤沢志光議員のご質問にお答え申し上げます。  まず、財政健全化への取り組みについてお尋ねがございました。  都財政の健全化は、二十一世紀に向けて、都民のための新しい施策を展開してまいります上で、何としてもなし遂げなければならない重要な課題でございます。そのため、今回、財政健全化計画に向けた当面の取り組み方針を定めまして、施策総点検の実施を決定いたしますとともに、十年度予算編成を例年より早い六月中旬から開始することにいたしております。  こうした全庁を挙げた取り組みによりまして、財政健全化計画で掲げました、十年度において特別な財源対策によることなく財源不足を解消する、そういう目的を達成するために努力を重ねてまいりたいと考えております。  続きまして、外郭団体への財政支出についてご言及がございました。  東京都監理団体への財政支出につきましては、各団体の自主的、自律的な経営を促進し、より一層効率的、効果的な事業執行を確保する観点から見直しを行ってまいる必要があると考えております。  今後、財政健全化計画に基づきまして、各団体が都と同様の経費節減努力を行うことを前提としながら、ご指摘の点も含めまして、各団体の経営努力を促進する観点に立って、財政支出の見直しを行ってまいりたいと考えております。  続きまして、財政健全化に向けた決意はいかがということでございますが、都財政の健全化は、東京の未来を切り開いてまいりますために、今の時点におきまして解決しておかなければならない重要な課題でございます。これを達成いたしますことは、私に与えられました重要な責務の一つであると認識をしております。  そのためには、都が行っておりますすべての施策を根本から見直していかなければなりませんが、その前提として、おっしゃられるように、血のにじむような努力を都みずからが行っていくことが肝要でございまして、先般、議会の皆様と軌を一にして実施いたしました報酬の削減、これもそうした認識に基づくものでございます。  今後とも、こうした立場から、全職員の先頭に立ちまして、議会の皆様のご理解とご協力を得ながら、全力を挙げて都財政の健全化に取り組んでまいる決意でございます。  それから、負担感に配慮した税源確保への取り組みについてのお尋ねでございます。  都は、これまでも都民負担の実態に配慮した固定資産税等の負担緩和措置や、税源のバランス回復に資する地方消費税の創設など、都議会のお力添えを得ながら、国へ積極的に働きかけ、実現を促してまいりました。  今後とも、都民の高負担感の緩和に配慮しつつ税源の確保を図る、そういう視点に立ちまして適切に取り組んでまいりたいと考えておりますが、お話の特別地方消費税の代替財源につきましては、ご趣旨も踏まえまして、この夏の国に対する要望の中で積極的に取り上げてまいりたいと考えております。  それから、行政改革に取り組む決意についてご言及がございました。  行政改革の推進に当たりましては、ご指摘のような社会経済環境の変化なども踏まえながら、不断に見直しを実施していかなければならないものと考えております。今後の行財政改革につきましては、行政改革大綱の着実な実施はもとより、大綱に掲げました事項の前倒しとか、あるいは組織定数の見直しなど、内部努力の検討も含めまして、実施策以外の事項につきましても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  それから、団体の経営評価制度を実効性のあるものにすべきだというご言及がございました。  経営評価制度は、団体の経営状況を的確に把握し、これを評価することにより、団体の経営責任及び所管局の指導監督責任を明確にし、団体の自律的経営を促進することを目的といたしております。  この制度の実施に当たりましては、担当副知事を委員長とする行政管理委員会を中心に全庁的な指導監督体制を強化するとともに、経営評価の結果に基づき、団体みずからに改善目標を設定させるなど、経営評価の実効性を高めるように努力を重ねてまいりたいと考えております。  それから、シルバーパス制度についてご言及がございました。  社会経済状況の変化に柔軟に対応し、都民の新たなニーズに的確にこたえてまいりますためには、すべての施策について常に基本に立ち返り、そのあり方を検討していく必要がございます。シルバーパス制度は、昭和四十年代に開始したもので、これまでの社会経済状況の中で、高齢者の社会参加を促進し、高齢者の福祉の向上に寄与してまいりました。  これから迎える本格的な高齢社会におきまして、高齢者が地域の中で人々と交流を深め、充実した高齢期を過ごせるよう、時代に応じた施策を構築してまいりますことが重要な課題になっております。このようなことから、シルバーパス制度について、廃止を前提には検討をいたしておりません。  次に、長期的な視点に立った東京の都市づくりの基本的な方向についてお尋ねでございますが、都は、先般策定いたしました生活都市東京構想におきまして、住み続けられ、暮らしやすい都市の実現を目指した施策を進めることといたしております。  具体的には、身近な生活圏を重視しながら、多心型都市づくりの新たな展開を図りますとともに、自然環境の保全や都市景観づくりに取り組み、加えて、資源・エネルギーや都市空間を有効に利用する循環型社会の考え方に立ちまして、東京の持続可能な発展を図ることといたしております。  さらに、長期的には、地球的視野に立った東京の地位や役割、情報通信や輸送手段の発展、価値観の一層の多様化などの課題に的確に対応した都市づくりを進めてまいる必要があると思っております。  こうしたことから、夢や希望のある東京を目指した都市の将来ビジョンにつきまして、当面は、庁内の自由な発想と若い英知を結集して研究を続けてまいりたいと考えております。  それから、都市復興マニュアルの意義、目的についてご言及がございました。  東京に大震災が発生いたしました場合、災害応急対策あるいは災害復旧を図りますとともに、できるだけ早期に復興に取り組み、都市を再構築してまいりますことが重要なテーマでございます。これまで、阪神・淡路大震災を初め被災都市において、復興計画策定に向けての対応等は、すべて被災後の混乱状態の中で進められてまいりました。  これに対しまして、全国の自治体で初めての試みではございますが、都は、将来発生するであろう大地震をあらかじめ予測し、これに対し、都市復興が迅速かつ円滑に進みますよう、被災前にあらかじめ行動指針と計画立案の指針を体系的に整理いたしまして、都市復興マニュアルとして策定したものでございまして、これが有効に役立つというふうに考えております。しかしながら、そういう災害が起こらないことをひたすら念じております。  都心居住の推進についてご言及がございました。  都心居住の推進は、区部における定住人口の回復による地域コミュニティの活性化や職住近接による、ゆとりのある生活の実現を図るものでありますとともに、東京の発展を支える経済、文化活動を育成、展開してまいります上でも、重要な課題であると認識をいたしております。  今後は、東京都住宅マスタープランに示しました都心居住推進地域におきまして、このたび国から提案されました施策も含めまして、都心共同住宅供給事業、市街地再開発事業等の多様な事業制度を活用するとともに、交通ネットワークの整備等の各種都市政策とも連携をいたしまして、総合的、計画的に都心居住を推進してまいりたいと考えております。  次に、臨海副都心の暫定利用についてご言及がございました。  このたび公募いたしました十年間の暫定利用についてでございますが、進出を希望しております事業者から、十五件のかなり斬新で意欲的な提案がなされております。今月中を目途に、進出事業者を決定いたしまして発表する方針でございますが、選考に当たりましては、ご指摘のとおり、臨海副都心の発展への寄与も重要な判断の要素と考えることにいたしております。  臨海副都心開発の今後の進め方についてのご言及でございますが、進出事業者の第二次公募につきましては、本年三月に策定いたしました実施方針にお示しいたしましたとおり、七月を目途に登録要項を発表いたしまして、進出を希望する事業者の登録を行いました後、街区ごとに順次公募を実施してまいる方針でございます。  臨海副都心開発は、あすの東京の活力と創造力を生み出し、生活都市東京の実現に大きな役割を果たすものでございまして、ご指摘のとおり、東京の将来の発展にとりまして不可欠のものと考えております。  今後は、臨海副都心まちづくり推進計画に基づきまして、用地の処分や広域交通基盤の整備など、着実に開発を推進してまいりたいと考えております。  生活心の育成にかかわる取り組みについてお尋ねがございました。  生活心は、身近な生活圏の中心となる地区でありまして、この育成整備は、基本的に区市町村が主体となって進め、都はこれに積極的に支援を行っていくという形で取り組んでおります。この育成整備に当たりましては、生活心の内容をさらに明確にしていく必要がありまして、速やかに関係局による連絡調整会議を設置いたしますとともに、区市町村から意向聴取を行うことといたしておりまして、それをもとに、今年度中に幾つかのモデル地区で、生活心の育成整備のあり方等につきまして具体的な検討を重ねてまいります。  区部周辺部の環状公共交通の取り組みについてご言及がございました。  このたび、エイトライナーやメトロセブン構想の連携宣言を行いました区部西部六区や東部三区においては、それぞれ促進大会とか、あるいは調査研究を実施するなど精力的な活動が展開されており、その機運が甚だ盛り上がっているということを私も認識をいたしております。  本構想の推進に向けましては、次期運輸政策審議会答申に反映されることが重要でございまして、このため、庁内に学識経験者を含めました委員会を設置いたしまして、事業の進め方あるいは採算性の向上、その他、具体化のためのさまざまな課題につきまして検討を進めております。  また、この構想の実現には、今後とも地元の熱意や支援が重要でございまして、より一層、都と区の連携を深めてまいりたいと考えております。  それから、羽田空港への国際便増便についてご言及がございました。  今後の東京の国際化の進展とか、あるいは空港利用者の利便性などの観点から、ご提言の背景は十分に理解できるところでございます。  都といたしましては、当面、新C滑走路の早朝、深夜の発着枠活用など羽田空港の有効活用によりまして、また将来に向けては、成田、羽田等首都圏空港間での適切な機能分担を図るなどによりまして、国際便を増加させるよう、関係機関と十分調整の上、国に対して要請を重ねてまいりたいと考えております。  東京都保健医療計画改定の基本的な考え方についてお尋ねがございました。  平成五年の改定以降、少子・高齢化の急速な発展や、都民の命と健康を脅かしますO157といった新たな感染症の発生など、保健医療をめぐります環境は大変大きく変化をしております。  これに対しまして、都では、これまで周産期医療の充実あるいは地域保健の新しい仕組みづくりなど、さまざまな施策を積極的に展開してきているところでございますが、今回の第二次改定では、こうした状況の変化を踏まえまして、二十一世紀の本格的な少子・高齢社会に対応する東京の新しい保健医療体制の構築に取り組むこととし、本年度から具体的な検討に着手してまいります。  それから、青少年の健全育成に関する問題についてご言及がございました。  青少年を健全で自立した社会人として育ててまいりますことは、おっしゃられるように、我々大人の重大な責務であるというふうに認識をいたしております。  急激な社会環境の変化の中で、最近の青少年の自立のおくれとか、あるいは社会性の乏しさが、性非行とか、あるいはいじめなどの問題にもつながっていると指摘されておりますが、私もそのように考えております。こうした状況の中で、青少年の健全な育成を図ってまいりますためには、広範囲な都民の方々と手を携えまして、総合的な環境づくりに取り組むことが肝要かと考えております。  都といたしましては、こうした観点から、本年度、東京都青少年問題協議会の答申を得まして、青少年健全育成のための行動計画を策定し、都民の皆さんとともに、積極的な施策の推進を図ってまいりたいと考えております。  それから、買春等処罰規定に関する問題についてお尋ねがございました。  昨年から本年にかけまして、多くの都民の方々から、東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正につきまして、請願陳情が大変多く寄せられ、都議会における熱心なご審議も経まして採択されております。  また、本年四月には、東京都青少年問題協議会から、現在の青少年を取り巻く社会状況にかんがみまして、謙抑的立場に立って、青少年保護のために大人を処罰する規定を設けることはやむを得ないという考え方で、買春等処罰規定の導入について中間答申をちょうだいいたしました。  都といたしましては、これらの経過を踏まえまして、青少年健全育成条例を改正し、買春等処罰規定を導入する方針を決定いたしました。現在の青少年をめぐります援助交際や売買春等の憂うべき社会の状況を変えてまいりますためには、実効性のある対応を早期に講ずる必要がございまして、現在、第三回定例会を目途に鋭意検討を進めているところでございます。  循環型社会づくりに対する取り組みについてお尋ねがございました。  今日の国際社会では、地球環境を保全するため、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄という社会経済システムを見直すことが求められております。  東京におきましても、都市生活に伴う環境への影響を小さくしてまいりますことは、都市の存続、そして将来の世代のために不可欠の重大問題でございます。お話のように、東京を持続的発展が可能な都市につくりかえてまいりますことは、都政に課せられました最重要課題でありまして、今後とも全力で取り組んでまいります決意でございます。  ゼロエミッション型経済への転換についてご言及がございました。  おっしゃられるように、一つの産業の廃棄物が他の別の産業の原料となるような経済の仕組みでございますゼロエミッションは、循環型社会づくりを進めてまいります上で中心となっていく考え方かと考えております。  これを具体化してまいりますためには、必要な情報の収集あるいは提供に努めますとともに、人材の養成を含めました経営や技術のあり方、融資等の支援の仕組みづくりを検討いたしまして、ゼロエミッションに取り組む中小企業者の育成を積極的に図ってまいりますなど、循環型社会づくりを進めてまいりたいと考えております。  循環型社会づくりの進め方について再びご言及がございまして、循環型社会づくりの実現は、これまでの社会システムとか、あるいはライフスタイルの根本的な転換を意味することにまで発展するだろう、そのためには、新しい発想と強力な推進体制が不可欠で、先ごろ庁内に、私が本部長として、循環型社会づくり推進本部を設置したところでございます。お話のように、多くの都民や事業者の参加による都民運動を展開し、新たな視点から既存の施策を見直してまいりますことも大切であろうかと考えております。  今後とも、私自身が先頭に立ちまして、この運動が全国的に波及してまいりますように、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  ごみ問題解決に向けた決意についてご言及がございました。  東京の置かれました厳しいごみ問題を解決してまいりますためには、今も申しました大量生産、大量消費、大量廃棄という一方的な流れに支えられたこれまでの社会経済シテスムを改めまして、環境への負荷の少ない循環型社会経済シテスムを構築してまいりますことがどうしても必要でございます。そのため、都民、事業者とのパートナーシップを基本にいたしまして、本年四月よりペットボトルの店頭回収を実施いたしますとともに、この六月から資源回収モデル事業を開始したところでございます。  二十一世紀を目前に控えました今日、ごみ減量・リサイクルを推進し、環境と調和した持続的発展が可能な循環型都市の構築のため、みずから先頭に立って全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくご理解、ご協力のほどを、この場からもお願い申し上げる次第でございます。  なお、その他の質問につきましては、警視総監及び関係局長から答弁をさせていただきます。以上でございます。    〔警視総監前田健治君登壇〕 ◯警視総監(前田健治君) テレホンクラブ等営業及びデートクラブ営業の規制に関する条例につきましてお答えをいたします。  本条例につきましては、知事部局と東京都公安委員会との双方が協力し、条例を効果的に運用することによって、青少年の健全な育成を阻害する行為の防止及び清浄な風俗環境の保持という目的を達成しようというものであります。  警視庁といたしましては、本条例の実効性を担保するための方策として、テレホンクラブ等の営業に類似している風俗関連営業等の監督官庁でありますことから、この指導監督のノウハウを生かし、厳格かつ適正にこれら営業の指導監督を行うこと、青少年に違反広告物を配布している者に対する警察官の中止命令、違反広告物の除却等の措置を、昼夜を問わず活動する警察職員により行うこと、これら営業に起因する違法行為につきましては、本条例の厳正かつ的確な執行により指導取り締まりの徹底を図るとともに、あらゆる法令を活用して取り締まりを推進すること、都民の方々や営業者に対して新条例の周知徹底を図るため、リーフレット等の作成、キャンペーン活動、営業者に対する説明会の開催等の広報、啓発活動を行って、その浸透を図るとともに、関係機関、団体、地域住民、少年警察ボランティアの方々等のご協力をいただくなどして、従来の環境浄化活動を初めとする諸対策についても一層推進すること等により、本条例による規制の実効性が上がるように対処してまいりたいと考えております。  以上申し上げましたように、警視庁といたしましては、この条例の目的が達成されるよう全庁を挙げて取り組んでまいる所存であります。    〔財務局長西念晃司君登壇〕 ◯財務局長(西念晃司君) 公共事業費の見直しについてのお尋ねにお答えを申し上げます。  九年度予算におきましては、財政体質の転換を図る見地から、投資的経費について大幅な削減を行ったところでございますが、財政健全化計画の目標達成に向けては、十年度においてなお一層の努力が必要とされております。同時に、投資的経費の削減に取り組むに当たりましては、ご指摘をいただきましたように、財源を重点的に配分することなどにより、事業効果を最大限に高められるよう工夫をしていかなければいけない、このように考えております。    〔総務局長渡辺能持君登壇〕 ◯総務局長(渡辺能持君) 監理団体の削減策についてのお尋ねでございます。  東京都監理団体の改善目標といたしまして、平成十年度までに団体数の一割削減を行うことをさきの第一回定例会で明らかにし、現在、この目標達成に向けまして、関係局や関係者と鋭意調整を進めているところでございます。  具体的な団体の統廃合につきましては、今年度から実施いたします経営評価制度の結果を踏まえまして、本年度中に取りまとめるようにしてまいります。    〔都市計画局長木宮進君登壇〕 ◯都市計画局長(木宮進君) 都市づくりに関連いたします四項目、九点のご質問にお答えを申し上げます。  初めに、このたび策定をいたしました都市復興マニュアルに係ります二点のご質問にお答え申し上げます。
     最初に、都市復興マニュアル防災都市づくり推進計画との関係についてのお尋ねがございました。  防災都市づくり推進計画は、木造密集市街地を対象に、災害に強い都市を実現するための指針となる計画でありまして、平成九年度からは、この計画に基づき着実に防災都市づくりを推進することといたしております。しかし、この推進過程におきましても、大きな災害の発生が起こり得るものでありまして、その際に復興計画の策定が必要となります。  復興計画は、防災都市づくり推進計画を前提としつつも、長期的視点に立って、被災を繰り返さない都市づくり、持続的発展が可能な都市づくりを目指し、都市基盤の量的、質的向上や、一層良好な市街地の形成を図ることを視野に置いたものとすることが必要であると考えております。  このマニュアルは、防災都市づくり推進計画が震災前の対策でありますのに対し、震災後の対策といえるもので、両者が円滑に機能をして、生活都市東京構想が目指します安全・安心のまちづくりが創造されるものと考えております。  次に、都民への周知など、今後の取り組みについてのお尋ねがございました。  大震災が発生した場合の震災復興本部の設置、都市復興基本方針の策定など、都市復興に向けた行政の取り組みと、都民生活に直接かかわります建築規制の実施や、まちづくり計画の作成に向けた合意形成方法などにつきまして、あらかじめ都民に周知しておくことは、都市復興を円滑に推進する上で必要不可欠であるというふうに認識をいたしております。このため、これらについてわかりやすくパンフレット等を作成し、広く周知を図るなど、都民の理解と協力が得られるように努めてまいります。  また、このマニュアルに基づきます都区市町合同のシミュレーションの実施などにつきましても、本マニュアルの有効性や実効性を高めていくとともに、住民への普及啓発を促進する観点から積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、都心居住につきまして三点のご質問にお答えを申し上げます。  最初に、容積率の緩和等による地価高騰や居住環境への留意の必要性についてのお尋ねがございました。  現在、国会審議中の高層住居誘導地区等の施策は、都心居住に主眼を置いたものでありまして、バブルの時代にありましたような地価高騰を引き起こすものではないというふうに考えておりますが、都としては、そうした状況が生じないように、今後とも地価の動向をしっかりと監視をしてまいりたいと考えております。  また、今回の法改正におきましては、高層住居誘導地区の対象となります地域は、日影規制が条例上、原則として適用されていない容積率四〇〇%の地域に限定されたこと、また、市街地の環境確保の必要がある場合には、建ぺい率の最高限度、敷地面積の最低限度を都市計画で定められるようになったことなどから、居住環境につきましても一定の対応がなされております。  都といたしましては、地元区とも連携し、地域の実情や環境面にも十分配慮しながら、都心居住を一層推進するため、本制度を適切に運用してまいりたいと考えております。  次に、担保不動産等流動化対策都心居住推進対策との関連についてのお尋ねがございました。  今回、建設省が提案をしております、土地区画整理事業を活用した土地の集約化等、土地の有効高度利用の促進策は、都心居住を進める上で有効な方策の一つと考えておりまして、関係区とも十分協議、調整を行っていくことといたしております。こうした方策は、都心居住を進めることを目的とするものでありますが、結果として、土地が流動化し、それが経済の活性化につながることは有効なことであると考えております。  最後に、今回の法改正に伴います施策の総合性の確保についてのお尋ねでございますが、現在、国会で審議中の都市計画法等の改正案におきましては、高層住居誘導地区の指定区域では、住居系地域でありましても、道路斜線制限等の高さ制限や前面道路幅員による容積率制限を商業系と同様にするなどの緩和を行うことにより、施策の整合性を確保する考え方となっております。  また、道路等が不十分な地域におきましては、都市基盤の整備が不可欠であり、土地区画整理事業の柔軟な運用、道路事業にあわせた沿道の土地の有効利用の促進、さらには街並み誘導型地区計画を活用いたしました道路斜線制限等の緩和など、都心居住の推進を図るため、種々の施策を総合的に展開することが必要であると考えております。  次に、都市構造の再編に関します二点のご質問にお答え申し上げます。  最初に、副都心、多摩の心の市街地整備についてのお尋ねでございますが、先般策定いたしました生活都市東京構想におきましてそれぞれ将来像を設定したところであり、今後、それらの具体化に向けて育成整備に努めてまいりたいと考えております。  副都心につきましては、それぞれ地域の特性に応じたきめ細かな土地利用の規制、誘導等により、業務・商業だけでなく、文化、居住など多様な生活機能を備えた個性ある広域的な拠点として市街地の整備を進めていきたいと考えております。  多摩の心につきましては、都市基盤の整備を進めるとともに、それぞれ地域の特性に応じ、業務・商業など機能誘導を図り、快適で創造性豊かな生活を楽しめる魅力あふれる多摩自立都市圏の形成を目指して市街地の整備を進めてまいります。  次に、東京駅周辺地域の整備ビジョンを早期に提示すべきであるというお尋ねがございました。  当地域につきましては、二十一世紀に向けた社会経済システムの変化を見据えながら、東京の活力を維持するために、都心の質的更新を図ることが大きな課題となっております。このため、東京都、千代田区及び地元の民間地権者で、昨年九月、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり懇談会を設立いたしまして、公共と民間の協力、協調により、この地域にふさわしい整備目標、将来像などにつきまして鋭意協議を重ねているところでございます。本年度末までには、ご提案の趣旨を踏まえ、区部中心部整備指針をもとに、公民の合意を前提として、関係者が共有できるまちづくりの整備ビジョンを示してまいりたいと考えております。  最後に、羽田空港問題について二点のご質問にお答え申し上げます。  まず、羽田空港の跡地利用計画についてのお尋ねでございますが、都は、運輸省、大田区とともに、羽田空港跡地約二百ヘクタールにつきまして、平成九年度と十年度の二カ年で跡地利用計画の策定をすることといたしております。  都といたしましては、羽田空港への国際便の導入を要請していくという立場から、この跡地が空港に隣接するという地理的な条件を踏まえ、跡地利用計画につきましては、世界に開かれた利用しやすい空港にふさわしい施設の導入を前提に検討していくべきであると考えております。  最後に、京浜急行線の連続立体交差化計画についてのお尋ねがございました。  本計画は、京急蒲田駅付近の環状八号線や第一京浜国道を初めといたします多くの踏切を除去し、交通渋滞を解消するものであり、また、ご指摘の羽田空港へのアクセスの強化の観点からも、その事業効果が高いものと考えております。このため、都では、本計画の実現化に向け、本年二月に都市計画の素案の地元説明会を開催したところでございます。  今後、地元大田区や関係機関との調整を行いながら、本年秋を目途に都市計画案及び環境影響評価書案の地元説明会を行い、平成十年度中の都市計画決定を目指して手続を進め、その後、早期に事業効果が得られるよう段階的に整備を進めていきたいと考えております。  以上でございます。    〔住宅局長篠木昭夫君登壇〕 ◯住宅局長(篠木昭夫君) 東京都心居住推進本部の運営についてのお尋ねにお答えいたします。  ご指摘の推進本部は、都心居住を推進するための制度のあり方の検討や、個別の都市開発プロジェクトについての調整などを行うために、建設省、東京都、住宅・都市整備公団及び参加いたしました特別区全員の合意により設立されたものでございます。事務局は住宅・都市整備公団に置かれておりますけれども、この本部の運営に当たりましては、特別区の主体的なまちづくりを尊重いたしますとともに、構成員が対等の立場で協議に当たることとされているところでございます。  今後、都といたしましても、この考え方に基づきまして、都心居住の推進に向け、本部の適切な運営に努めていきたいと考えております。    〔衛生局長原山陽一君登壇〕 ◯衛生局長(原山陽一君) 二点のご質問にお答えをいたします。  まず、現在、国会で審議中の医療法改正案が都の保健医療計画に与える影響と対策についてのお尋ねですが、改正案では、都道府県が策定する医療計画において、現行の医療圏の設定と必要病床数に加え、新たに、二次医療圏ごとに、地域医療支援病院や療養型病床群の整備目標、救急医療、僻地医療の確保などについても定めるものとされています。このため、都の保健医療計画においても、国会の審議状況を見きわめながら、今回の改定の中で必要な検討を行ってまいりたいと思います。  次に、保健医療計画改定に当たっての都民参加についてのお尋ねでありますが、ご指摘のとおり、保健医療施策は、都民の日常生活に密着したきめ細かな展開が必要でございます。このため、保健医療計画の改定について検討をお願いする東京都保健医療計画推進協議会では、医療を受ける立場の委員を新たに公募により選任するなど、都民の声や意見を的確に反映するよう努力してまいります。    〔教育長市川正君登壇〕 ◯教育長(市川正君) 二点のご質問にお答え申し上げます。  まず、青少年の非行にかかわる現状認識と教育の場における取り組みについてのお尋ねでございますが、ご指摘のとおり、暴力行為や性、薬物にかかわる児童生徒の非行につきましては、警察等による補導件数が急激に増加し、また、低年齢化するなど、極めて憂慮すべき状況にあると認識しております。  性教育や薬物乱用防止の教育につきましては、これまで、教師の指導力を高めるとともに、わかりやすいパンフレット等を活用しながら、保健体育や道徳の授業、学級活動等、あらゆる機会を通じて児童生徒の指導に努めてきたところでございます。しかしながら、この問題は、第一義的には家庭教育の問題でございまして、家庭の果たす役割は大きなものがあると考えております。単に学校教育だけでなく、家庭や地域社会が協力し、それぞれが責任を持って全力で取り組むべき課題であると考えております。  都教育委員会といたしましては、今後とも家庭や地域社会と十分な連携を図りながら、児童生徒に対して、性や薬物に関する知識理解を深め、自己管理や自己責任の能力を身につけさせる指導の徹底に努めてまいります。  次に、教科書採択の変更に関するお尋ねでございますが、採択後の教科書の変更につきましては、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令第十四条第二項の規定により、採択した教科書の発行が行われなくなった場合、並びに採択地区が設定または変更された場合に限られており、それ以外は認められておりません。しかしながら、都教育委員会は、採択後の教科書を変更してほしいとの荒川区教育委員会の要請を尊重しますとともに、指導上の困難性にも配慮し、国に対して要望をしてまいります。    〔生活文化局長奥典之君登壇〕 ◯生活文化局長(奥典之君) 青少年にとっての良好な環境づくりについてのお尋ねでございます。  本定例会に提案しております、東京都テレホンクラブ等営業及びデートクラブ営業の規制に関する条例を議決いただいた後は、この条例の内容について、都や区市町村の広報媒体を活用するなど、さまざまな普及啓発活動の機会を通じて広く都民の方々に周知しますとともに、テレホンクラブ等営業者にも自覚と責任を促してまいります。  現在も、都内の各地で多くの都民の方々が環境改善活動に努めておられます。都では今後、これらの方々を初めとする広範な都民や区市町村と連携を強化し、街頭キャンペーンを実施するなど、青少年にとって良好な環境づくりのための活動をより活発に展開してまいります。    〔労働経済局長坂庭敏弘君登壇〕 ◯労働経済局長(坂庭敏弘君) 中小企業の振興についての二つのご質問にお答えいたします。  まず、商工会議所などとの連携についてでございますが、都はこれまで、商工会議所などの経営指導員が行う税務や融資などの相談指導、創業支援セミナーや地域特産品の販路開拓などに助成をいたすとともに、工業集積地域活性化支援事業や中小企業等リサイクル支援モデル事業の推進などについて、その協力を得て大きな成果を上げているところでございます。  お話のように、都の財政状況を踏まえました施策の展開を行うことや、地域の商工業の振興を通じて地域社会の健全な発展を図ることは重要でございまして、その主要な担い手の一つである商工会議所などの活用をこれまで以上に図ることが必要であると考えております。このため、経営指導員の資質の向上や、それぞれの団体が自主的に行うソフト、ハードの事業を支援することにより、相携えてそれぞれの地域の特色ある商工業の振興に努めてまいります。  次に、商店街対策についてですが、商店街は、それぞれの地域社会の中核的存在としてさまざまな役割を果たすことが期待される反面、社会経済環境の変化や景気の動向などにより、厳しい状況に置かれております。これまでも、地域の人々が期待する役割を商店街が果たしていけるよう、ハード、ソフト両面からの支援を行ってまいりましたが、その中で、ハード事業の実施に当たりましては、建設局などが行う道路修景事業や防災都市づくり事業などとの連携を図ってきたところでございます。  また、お話のように、生活都市東京構想において、身近な生活圏のまちづくりを進めることとしております。  こうしたことを踏まえまして、大型店の出店調整も含め、商店街が地域の人々にとって魅力あるものとなるよう、その振興に努めてまいります。    〔清掃局長福永正通君登壇〕 ◯清掃局長(福永正通君) 循環型社会づくりに関します三点のご質問にお答えをいたします。  まず、古紙のリサイクルへの対応策についてのお尋ねでございますが、現在の古紙のリサイクルをめぐる状況は、ご指摘のように大変厳しいものがございます。こうした状況を打開し、古紙のリサイクルの輪をつないでいくためには、古紙の利用を一層促進、拡大をしていくことが必要でございます。  このため、都では、五月九日、古紙利用拡大緊急プランを策定いたしまして、行政が率先して行動するとともに、全都的な運動とするため、事業者や都民の皆さんにも広く協力を呼びかけたところでございます。また、四月二十八日には、区市町村と共同で、国及び日本製紙連合会に対して古紙利用促進についての緊急要望を行いました。さらに、五月三十日には、大口ユーザーでございます日本新聞協会及び日本雑誌協会に対しても緊急要望を行ったところでございます。  今後とも、古紙の利用拡大に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。  次に、ペットボトルの回収システムの進行状況についてのお尋ねでございますが、四月からスタートいたしましたペットボトルの店頭回収では、二カ月間で約百二十トン回収することができました。都区部の回収率は、容器包装リサイクル法施行前において約一%であったものが、四月には約五%、そして五月には一〇%になっております。また、参加店舗数は六月一日現在で約千三百となっております。  容器・内容物メーカーに対しましては、店頭回収に参加する販売事業者の方々の数が月を追って増加するなど、四月開始以降の状況の変化を踏まえまして、メーカーに個別に説明し、一日も早く参加をしていただくよう呼びかけているところでございます。  次に、資源回収モデル事業の取り組みについてのお尋ねでございますが、緊急課題でありますごみ減量・リサイクルを推進するためには、やはりごみの発生、排出をできるだけ抑制し、資源回収の徹底を一層促進する必要がございます。  この事業は、都民の皆さんが参加しやすく効率的な資源の回収に努め、あわせて、新たなごみ収集体制の確立を図ることを目的に、住民の皆さんの協力を得ながら、週三回の可燃ごみの収集日のうち一回を資源回収日に振りかえて、モデル的に実施をいたすものでございます。  六月より、六区の一部地域、約三万七千世帯において、住民の皆さんへの説明等、準備の整ったところから順次実施をしておりまして、引き続き特別区と連携を図りながら、都民の皆さんの理解と協力が十分得られるよう努めてまいります。 ◯議長(熊本哲之君) 四十番大木田守君。    〔四十番大木田守君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◯四十番(大木田守君) 私は、都議会公明を代表して、当面する都政の重要課題について、知事及び関係局長に質問いたします。  さきのイギリス総選挙では労働党が圧勝しました。イギリス国民は、改革を推し進める力に欠けた保守党政権の継続を許さず、決断の政治を労働党ブレア政権に託したのです。一昨日のフランス総選挙も、決断の政治が求められました。  一方、我が国の状況はどうかといえば、国や地方の五百兆円を超える借金、底知れぬ不良債権など、政治、経済、行政のあらゆる面で行き詰まりを見せており、抜本的な構造改革が強く求められているのであります。  ところが、政府は、住専処理に巨額の税金を投入するばかりか、消費税の引き上げや医療保険制度の改悪など、国民に負担増を強いる政策ばかりを強行しているのであります。しゃにむに成立を図ろうとしている介護保険制度の創設にしても、実施主体である自治体の不安に十分こたえることなく、法案の成立だけを図ろうとしているのであります。  私は、本来、高齢者にとって医療と介護は不可分の関係にあり、介護システムの確立と医療保険制度の改革とは、一体的に、抜本的に取り組む必要があると考えます。知事の認識について伺います。  次に、東京改革について伺います。  知事に就任して二年がたち、折り返し点が過ぎました。さきに発表された生活都市東京構想について一言でいえば、地域を重視する点にあります。生活都市東京の実現には、従来の発想ではもはや対応できないことは明らかですが、知事は、都政の縦割り構造の改革をどのように進めていく考えなのか、大きな局同士の統廃合の問題も含めて、具体的に答えていただきたいのであります。  この二年間余、知事は都政について十分に研さんを積まれたと思いますが、今、都政に強く求められている都政改革について、知事は、研さんを積みつつ、強力なリーダーシップを発揮していくべきであります。都政改革についての知事の決意を、知事自身の本音で、具体的に、かつ例を挙げて示していただきたいのであります。  今の政治課題を一言でいえば、厳しい財政状況の中で、どのように少子・高齢社会に対応していくかということです。最少の経費で最大の効果を発揮することは、いつの時代でも行政運営に求められる最も基本的な原則です。しかし、現在の都の施策の中には、時代おくれでむだな施策がまだまだ見受けられます。当初の目的を達成した施策、社会経済情勢の変化により必要性が低くなった施策、事業実績が低迷している施策などを思い切って切り、整理していかなければなりません。これらの施策をどのように見直していくのか、知事の見解を伺います。  先般、財務局は、十年度予算における財源不足が、公債費の増加などにより三千百億円に達するという試算を取りまとめました。我が党は、第一回定例会において、投資的経費の一層の削減に加え、これまでほとんど手つかずだった経常的経費について、事務経費の節減などにより確実に削減していくことを求めましたが、その後の検討状況を伺います。  行政改革を推進する上で大事なことは、都民に負担を強いるのではなく、まず、行政みずからが身を削る改革を断行することであります。昨年十一月に策定された職員定数配置計画では、十年度までの三カ年で四千五百人の定数を削減するとしていますが、民間企業における血のにじむようなリストラと比べれば、まだまだ努力が不足しています。  我が党は、これまでも、職員定数の削減目標の上乗せを主張してきました。現在の計画に加え、さらに大幅な職員の削減を行うことにより、行政の一層の効率化を図る必要があると考えます。十年度を含め、今後の職員の定数の具体的な削減目標について、知事の見解を伺います。  さらに、第二の都庁といわれる都の外郭団体のリストラが必要です。  先般、都は、我が党の提案を踏まえ、現在七十ある外郭団体の団体数と常勤役員数を一割削減するとともに、役員報酬や退職金をカットすることを決めましたが、問題はその実行です。我が党は、改善計画の前倒しをかねてから提案していますが、その取り組みはどうなったのか、知事に伺います。  以上の改革を実施しつつ財政健全化を達成し、生活都市東京構想に示した高齢者福祉など各種の施策を知事の公約どおり実現するための新しい計画を、三カ年計画のような形で示すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、地方分権について伺います。  国の地方分権推進委員会は、七月にも第二次勧告を提出すると伝えられています。第二次勧告は、昨年十二月に提出された第一次勧告とともに、戦後の我が国の地方自治のあり方を抜本的に変革していくことが期待されています。しかし、第二次勧告の大きなテーマといわれている地方税財政制度改革に対しては、相変わらず中央省庁の激しい抵抗があり、なかなか思うように検討が進んでいません。また、第一次勧告後、地方自治体が地方分権の受け皿として大丈夫なのかという視点から、地方分権推進委員会に新たに地方行政体制等検討グループが設置されました。  第二次勧告を目前に控えた今日、全国の自治体や住民の強い期待にこたえることのできる地方分権が実現できるかどうか、まさに正念場を迎えています。第二次勧告や、それに沿って策定される地方分権推進計画が自治体の意向を十分に踏まえたものとなるよう、東京都としても、都議会や都民と一体となって、一層強力な働きかけを行っていかなければなりません。  一方、五月末に、都から区市町村への分権のあり方検討委員会が最終答申を提出しましたが、これを受けて、地方分権の推進にどのように取り組んでいくのか、知事の決意を伺います。  次に、情報公開について伺います。  国においては、現在、情報公開法の制定に向けた準備が進められていますが、我が国においては、東京都を初めとする地方自治体が国に先駆けて公文書開示条例を制定し、情報公開制度の定着と発展に大きく貢献してきました。  しかしながら、昨今の会議費の問題等に見られるように、都の情報公開は必ずしも十分であるとはいえません。情報公開制度を見直し、さらに充実させていく必要があります。また、国の情報公開法の動向も、都条例に少なからず影響を与えることでありましょう。  この点に関して、知事は、情報公開制度のあり方について、条例改正も視野に入れながら検討するとしていますが、具体的にどのような内容を、どのようなスケジュールで検討していくつもりなのか、伺います。  また、その検討に当たっては、懇談会委員を公募することや、より多くの都民から幅広く意見を聞くとともに、検討のプロセスを都民に公開していく必要があると考えます。この点について見解を伺います。  次に、循環型社会づくりについて伺います。  暮らしを守り、将来の世代に安心して引き継いでいける東京を築くことは、我々今の都民の責務です。そのためには、地球規模の発想と視点に立って物事を考えていくことが必要であります。大量生産、大量消費、大量廃棄といったこれまでの生活のあり方を問い直していかなければなりません。限られた資源やエネルギーを有効に利用し、可能な限り資源として再利用する仕組みをつくり上げなくてはなりません。過密都市東京において、環境・リサイクル都市を創造することは、今や待ったなしの課題となっています。  そこで、まず、四月から始まったペットボトル回収の成果はどうであったか、また、この分野で都は今後どう取り組みを進めるのか、伺います。  他方、古紙については、その市場価格が下落し、リサイクルがうまく機能しなくなっていると報じられています。需給や価格の現状と、その原因がどこにあるのか、伺います。  先ごろ、都は、古紙利用拡大緊急プランを発表しました。その実現には、ペットボトルの回収と同様、関係者の一致した取り組みが必要と考えます。そこで、都は、プランに掲げた施策をどのように推進していくのか、所見を伺います。  また、先日発表された昨年度のごみ量速報値によれば、七年連続でごみ量の減少となっています。ごみ減量化の取り組みの成果と評価しますが、こうした状況の中で、埋立処分場の見通しについて伺います。  ところで、同じころに発表された清掃審議会の中間答申では、総量規制的発想に立って、処分量を可能な限り減少させることを提案しています。今後、リサイクルや再資源化を進め、やみくもに焼却工場をつくることだけでなく、各種の資源化工場が必要になると思いますが、清掃工場の建設について、今後も既定の計画どおり進めていくのか、伺います。  さて、清掃事業は、平成十二年四月から特別区へ移管されることになっています。特別区では、移管に備えて車庫用地を確保するための努力が続けられていますが、一方、地方自治法改正のめどが立つか、危惧を抱く向きもあります。この点の見通しについて、知事に伺います。  次に、ダイオキシン対策について伺います。
     ダイオキシン対策について、我が党は第一回定例会でも質問したところですが、その後、環境庁からダイオキシンに関する検討報告が発表されました。その内容と、今後、国においてどのような取り組みがされようとしているのか、伺います。  ダイオキシンへの社会的関心の高まる中で、都は、こうした国等の動向を踏まえ、一刻も早く総合的な対策の確立に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。  次に、産業の振興と景気対策について伺います。  国際化の進展、長引く景気の低迷など、東京の産業を取り巻く環境はこれまでになく厳しいものとなっています。豊かな都民生活を支えていくためには、東京の産業の活性化が不可欠です。東京に集まる人、技術、情報等を生かし、時代のニーズにこたえる新たな産業分野への進出や、そのための研究開発を積極的に支援する必要があります。  東京の中小企業は、これまでも環境の変化や時代の流れに合わせて変革を図ってきました。しかし、急激な社会変化に対応するためには、民間の努力だけでは不十分な場合もあり、せっかくの意欲が十分に生かされずに、残念ながら東京から流出する企業も少なくありません。都のこれまでの産業施策は、こうした中小企業の取り組みに対して十分にこたえたとはいえません。民間の積極的な取り組みを適切に支援し、新たな活力とすることのできる産業政策が求められています。  そこで、これまでの施策を根本的に見直し、二十一世紀に向けたリーディング産業を積極的に育成できるよう、労働経済局を産業政策局に脱皮させるべく、組織のあり方を見直す必要があると考えますが、知事の見解を伺います。  あわせて、創業を目指す企業や既成産業の新分野への進出に十分対応しておらず、むしろネックとなっていた都の融資制度についても抜本的な見直しが必要ですが、見直しについての考え方について伺います。  次に、金融ビッグバンと信組問題について伺います。  昨今、金融ビッグバンが議論されています。我が党としても、これが、旧来の大蔵省の行政指導を排除し、金融機関の情報公開を進め、市場ルールのもとで東京の金融センター機能を再生するものとなるよう期待しています。  このような金融自由化の動きが明確となり、また破綻した金融機関の処理ルールが固まってきた現在、もはや信組の処理のために都が都民の税金を投入する必要はないと考えます。最近も次々と信組の経営破綻が表面化していますが、いずれの場合も、府県が公金を投入して救済するという処理はなされていません。  この際、知事は、金融機関の破綻処理は、今後とも地方自治体の住民の税による負担によって行うべきではないと宣言すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、高齢者福祉について伺います。  本格化する高齢社会において、都民が安心して暮らしていくためには、高齢者福祉サービスが十分提供できる体制が整備されていることが重要です。特別養護老人ホームの建設や、二十四時間巡回型ホームヘルプサービス制度などの充実は、高齢者が安心して暮らすことができるまち、生活都市東京にとっては不可欠なものであります。  特に、シルバーパス制度については、我が党が申し入れして、廃止しない旨確認しておりますが、改めて知事の答弁を求めます。  都の財政状況は非常に厳しいものがありますが、我が党は、高齢者福祉施策については、これまで掲げた目標の完全実施が必要であると考えます。生活都市東京構想によって計画化された目標に従い、着実に事業を推進すべきですが、これについて知事の考え方を伺います。  さらに、身近な地域で相談からサービスの調整、提供までを一貫して行うことのできる高齢者サービスステーションについて、早急に具体化するよう求めますが、そのめどを伺います。  次に、子育て支援について伺います。  少子化の進行は、東京において顕著にあらわれています。東京都の合計特殊出生率は一・〇九、二十三区だけに限ると一・〇二です。少子化は今後の社会や経済、そして子供たちの育ち方にも大きな影響を与えます。子供を持ちたいと思う人が安心して産み育てられるよう、子育てに対する社会的な支援の強化を図っていくことが重要です。このため、我が党は、子育てに対する新たな支援策として、子育て減税を国に対して強く求めているところであります。  また、ゼロ歳児保育と時間延長型保育は、都民のニーズが高い施策ですが、ゼロ歳児保育の待機児は都内で千四百七十一人おり、年々増加しています。また、午後七時までの時間延長型保育の実施率は約二〇%にすぎません。この状態をどう改善していくのか、その道筋を伺います。  さらに、乳幼児医療費の助成も非常に重要です。我が党が先頭に立って無料化の実現に努めた結果、平成六年から三歳未満児を対象とする医療費助成制度がスタートしました。これがきっかけとなり、新宿区、江戸川区などでは対象を就学前の六歳児まで拡大し、その動きは今や都内十四区にまで広がっています。それほど、この制度に対するニーズは大きいのです。  そこで、都としても、乳幼児医療費助成制度を拡充し、現在設けられている所得制限を撤廃するとともに、助成対象を六歳児まで拡大することがぜひとも必要です。当面の対策としては、所得制限を直ちに撤廃すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、公共交通について伺います。  まず、多摩都市モノレールですが、昨年十一月に全線開通の延期が発表され、立川北駅以北は平成十年内、以南は十二年度内に分割開業となりました。多摩地域には南北を結ぶ公共交通がバス以外にほとんどなく、その利便性と開業に伴う経済効果を期待した地元からは、失望の声が上がっています。今後、多摩センターから町田または八王子へのルートを選択する計画があることから、立川北駅以南についても一日も早く開業すべきであると思いますが、難工事箇所の進捗など、今後の見通しについて伺います。  次に、臨海副都心の交通アクセスについてですが、ことしのゴールデンウイーク期間中の臨海副都心の人出が約九十五万人と、昨年に比べ二十万人増加し、「ゆりかもめ」の利用者は、始発の新橋駅で最高一時間半も待たされたそうです。  現在、臨海高速鉄道と臨海新交通の二つの路線の延伸が進められていますが、この「ゆりかもめ」の豊洲延伸とともに、臨海副都心と大崎、新宿、渋谷など他の副都心とのネットワークを強化し、東京の都市構造を分散型へと再編していくために、臨海高速鉄道の延伸は特に重要ではないでしょうか。  既に新木場で有楽町線とつながり、都心や千葉方面からもアクセスができ、導入空間の確保の必要のない臨海高速鉄道について、整備計画年次どおりの平成十二年開業に向け、全力を挙げて取り組むべきと思います。知事の所見を伺います。  次に、構想路線について伺います。  環状八号線を基本ルートとするエイトライナー促進協議会と、環状七号線を基本ルートとするメトロセブン促進協議会が、この四月に、エイトライナー・メトロセブン連携宣言を行いました。羽田空港からJR赤羽駅を経由してJR京葉線葛西臨海公園駅に至る約七十キロメートルの新たな環状鉄道の早期実現に向けて、大きな一歩が踏み出されました。  しかし、平成十二年を初年度とする次の運輸政策審議会の答申路線に位置づけなければ、実現化はできません。答申路線へ盛り込まれるよう、一層の努力が必要ですが、今後具体的にどのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、十条地区のまちづくりについて伺います。  当地区は、生活都市東京構想において、防災まちづくりの重点地区として位置づけられているように、防災空間となる公園が少なく、建物の老朽化も進んでおり、防災面、住環境面で課題を抱えています。地元北区や地域住民と協力しながら、再開発が一日も早く事業化できることを望んでおりますが、さらに、JR埼京線の連続立体化という交通面の課題を解決することが重要であります。鉄道の連続立体化は、市街地の分断の解消、交通渋滞の緩和はもとより、消防、救援活動の円滑化にも貢献し、地域の防災性を向上させます。  このことについては、私が平成七年第三回定例会の代表質問で提案し、その法案が今通常国会で連休前に可決された経緯を踏まえ、十条駅周辺の防災まちづくりと一体的に、JR埼京線の連続立体化を推進すべきと考えますが、所見を伺います。  次に、都営住宅ストック問題について伺います。  都は、今、約二十五万戸に達する都営住宅ストックを抱えています。しかしながら、現状を見ると、二十五万戸のストックの大半は、昭和四十年代以前に建設された、狭小な、建設水準の低い住宅であり、これらの住宅の更新が急がれています。  ところで、欧米はストック型、日本はフロー型といわれるように、日本の住宅は寿命が短い。国連の調査と住宅統計調査から諸外国との住宅の寿命を比較すると、アメリカ百三年、イギリス百四十一年、フランス八十六年に対し、日本は三十年となっています。日本の高度経済成長が終えんし、経済構造が低成長へと移行した現在、スクラップ・アンド・ビルドだけではなく、蓄積された住宅ストックを有効に活用していくことが必要と考えます。  そこで浮上してきたのが、コンクリート躯体を残して内部を抜本的に改造するスーパーリフォーム方式です。この事業の考え方と、今後どのようにこのスーパーリフォームを進めていくのか、二点について伺います。  次に、O157対策について伺います。  昨年、O157による食中毒が全国で一万人近く発生し、十二名の死亡者が出るという、公衆衛生史上まれに見る事態が生じ、国民に大きな不安を与えました。本年に入っても感染者が出ており、これから食中毒が発生しやすくなる時期に入り、都民の不安も一層募るものと考えます。  そこで、まず、O157による感染者の発生状況がどのようになっているのか、伺います。  O157による食中毒の発生を限りなく少なくし、都民の不安を和らげるためには、昨年の経験を生かし、早目に発生防止対策を講じていくことが何よりも重要であると考えます。国も、家庭向けのマニュアルを作成するなど、各種の対策を講じているようですが、都としても、都の現状を踏まえたきめ細かな対策を実施していく必要があると考えます。都の取り組みについて、具体的にお答えいただきたい。  O157の問題は、昨年の例に見られるとおり、都民の健康被害にとどまらず、経済的な問題に波及したり、学校給食で集団発生があった場合には、第二次感染のおそれなどからいじめが起きるなど、社会問題にまで発展することが考えられます。  このような事態を招かないためには、都は、食品衛生対策だけでなく、全庁的な連携のもと、万全の体制で対応していく必要があると考えますが、知事の決意のほどを伺います。  次に、男女平等社会の実現について伺います。  男女平等を積極的に推進してきた我が党としては、男女平等推進基本条例の早期の制定を望むところですが、いつ議会に提案されるのか、知事に伺います。  なお、条例の制定に当たっては、その内容について幅広く都民の声を聞き、反映させていくべきと考えますが、その進め方についても伺います。  また、男女平等社会の実現に向け、都としての取り組みの具体的なあり方を示すため、本年度に新たな行動計画を策定することとしていますが、その基本的考え方を伺います。  次に、男女平等に関してのウィメンズプラザにおける総合的な取り組みについてですが、男女平等への新たな取り組みとして、男女平等一一〇番が始まり、多くの相談が寄せられていると聞きました。職場でのセクシュアルハラスメントがマスコミで大きく取り上げられているように、まだまだ男女平等が人々の意識に定着しているとはいいがたい状況にあります。また、女子大生の就職難に象徴されるように、特に職場における男女平等に大きな問題が残されており、職場を変えていくことが大切です。都が従来から行ってきている消費者に対する訴訟支援や、労働債権を保全するための訴訟支援などと同様に、職場での男女平等を含め、男女差別に関する訴訟支援を新たに行うことを早期に検討すべきと考えますが、その内容と具体化のための手順について伺います。  最後に、今定例会に提案されている東京都テレホンクラブ等営業及びデートクラブ営業の規制に関する条例案について申し上げます。  この条例案は、青少年を性犯罪から守る条例を早急に制定するという都民の強い要望により提案されたものであります。日本の首都東京で施行される条例ということで、全国的にも注目をされており、その波及効果、期待は大きいものがあります。この条例案の成立を強く望むとともに、警視総監を中心として、警視庁の総力を結集して、全国の模範となるよう希望するものであります。  さて、二十一世紀を展望すると、時代はさまざまな困難な課題を抱えており、日本は閉塞状況にあります。東京は、人口、予算とも、国の約十分の一を占める巨大都市です。国にできない改革を都が次々と実現すれば、それが他の自治体に波及し、やがて国政をも変えていく力となります。  私たち都議会公明は、都民の動向と未来をしっかりと把握しながら、東京改革に真っ正面から取り組んでいきます。生活都市東京の実現のため、都議選に全力で取り組み、引き続き都政のかなめの党として、その地位を確保することを決意表明して、私の代表質問を終わります。(拍手)    〔知事青島幸男君登壇〕 ◯知事(青島幸男君) 大木田守議員のご質問にお答え申し上げます。  まず、介護システムの確立と医療保険制度の改革についてご言及がございました。  介護保険制度は、今後の保健、医療、福祉のあり方にかかわります極めて重要な課題でございまして、この制度と密接不可分な関係にあります医療保険制度の一元化を含めました抜本的改革とあわせまして、幅広い議論を行い、国民の十分な理解を得て構築されるべきものと考えております。  現在、国会で審議中の介護保険制度は、実施主体を区市町村とするものでございまして、地方公共団体の福祉制度の根幹にかかわり、かつ財政負担を伴う制度でもございまして、都は、国に対しまして、十分な財政措置を講ずることや、この制度の見直しの際、地方公共団体と事前協議を行うことなどを要望してきております。  今後とも、介護保険制度が大都市の実態を十分に反映し、都民から信頼され、安定的に運営される制度となりますよう、都議会の皆さん方とも連携を図りながら、区市町村や関係団体とも協力いたしまして、国に対して積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  それから、組織の見直しについてお尋ねがございました。  行政組織は、行政サービスを最も効率的、効果的に提供し得るよう編成すべきものでございまして、このたび福祉局及び衛生局、それと養育院の高齢者施策部門を統合いたしまして、高齢者施策推進室を設置することといたしたわけでございまして、今後とも、こうした観点から、国の動向や地方分権の進展を視野に入れつつ、複数の局にまたがる課題への取り組み体制を整備してまいりたいと考えているところでございます。  それから、都政改革に向けての決意はいかがと、こういうことでございます。  私は、知事就任以来、二年が過ぎまして、激しく変化する社会状況の中で、複雑多岐にわたります都政の課題に直面しまして、知事としての責任の重さ、都政改革の必要性を痛感しているところでございます。  都政の改革には、開かれた都政のもと、都民とのパートナーシップを確立し、時代の変化に柔軟かつ的確に対応できる都政の実現を目指していくことが肝要であろうと考えております。私は、二十一世紀の都政を見据え、生活者の視点から、都民のための都政改革に職員の先頭に立って取り組んでまいりたいと考えております。  なお、具体的な例を挙げて、それを示せというご言及でございました。  先ほど申しました福祉局、衛生局、養育院の高齢者福祉部門を統合いたしまして、高齢者施策推進室を設けましたことなど、そのいい例かと思いますので、ご了承いただきたいと思います。  続きまして、施策の見直しについてのお尋ねがございました。  社会経済状況の変化に対応し、都民の新たなニーズに的確にこたえてまいりますために、都のすべての施策について、その原点に立ち返って見直しを行っていくことが不可欠でございまして、そのため、今回、全庁を挙げまして、施策総点検に取り組むことといたしまして、特に六月から九月を施策総点検期間というふうに定めまして、各局においても、それぞれが実施している事業につきまして、一定の基準に基づきまして多角的に点検し、根本から見直しを行っていくことにしたところでございます。こうした努力を重ねてまいりますことによりまして、確実に施策の見直しを進めてまいりたいと、かように考えているところでございます。  職員定数の削減についてご言及がございました。  都は、昭和五十四年度から平成七年度までに二万三千八十五人の職員定数を削減し、さらに、平成八年度からの三年間で四千五百人の削減計画を掲げまして、既に八年度、九年度につきましては、計画数を上回る削減を実施したところでございます。  引き続きまして、十年度におきましても、計画の達成に向けまして、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  今後の職員定数につきましては、組織や施策の根本的な見直しとの整合性を図りつつ、引き続き不断の見直しを行い、より一層の適正化に努めてまいりたいと考えております。  外郭団体の改善計画への取り組みについてご言及がございました。  東京都監理団体の常勤役員数につきましては、既に昨年度より削減に着手したところでございます。役員の退職金につきましても、今年度からは段階的に支払い上限額を引き下げることにいたしております。  また、今年度から実施いたします経営評価の結果を踏まえまして、できるだけ早い時期に役員報酬の見直しを行ってまいりますとともに、団体数の削減につきましても、平成九年度中に取りまとめるようにしてまいりたいと考えております。  各種施策を公約どおり実現するための新しい計画についてお尋ねがございました。  生活都市東京構想では、右肩上がりの時代から成熟社会への転換を踏まえまして、新しい時代に対応した仕組みづくりや施策の転換など、これからの都政運営の基本的な方向を示してまいりました。  今後、少子・高齢社会への備え、循環型社会の形成、都市と産業の活性化など、緊急かつ重要な課題に取り組んでいく具体的な道筋を都民の前に明らかにしてまいります必要があると考えております。  財政健全化との整合性も図りながら、拡大志向ではなく、都政改革、社会変革に重点を置きました選択志向の計画を策定する方向で検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。  それから、地方分権への取り組みについてご言及がございました。  国の地方分権推進委員会の第二次勧告が間もなくでございます。これを目前に控えまして、お話のような地方分権が実現できるかどうか、まさに正念場を迎えているというところでございます。  このような状況にありまして、先日、都から区市町村への分権のあり方検討委員会から、全国自治体の立場で地方分権推進委員会を支援すべく、答申をいただいたところでございます。  今後、この答申に基づきまして、関係各省庁を初め各方面に働きかけを行いますとともに、都議会や地方六団体、七都県市との連携を深めてまいりまして、地方自治体の意向に沿った分権改革が実現できますよう、一層取り組み強化に努めてまいる決意でございます。  それから、情報公開制度のあり方についてご言及がございました。  都民とのパートナーシップに基づく開かれた都政を一層推進するため、そのあり方につきまして抜本的な見直しを進め、東京都公文書の開示等に関する条例、これの改正を行ってまいりたいと考えております。  条例改正に当たって検討すべき具体的内容等につきましては、社会経済情勢の変化に的確に対応するとともに、国における情報公開法制定の動向にも配慮しつつ、できるだけ早い時期に明らかにしてまいりたいと考えております。  それから、清掃事業の区移管の見通しについてお尋ねがございました。  この移管のためには、直営車の車庫整備、あるいは地域処理を図れる程度の可燃ごみの全量焼却体制、新海面処分場の供用開始の三点の条件整備、関係法令の改正及び関係者との協議等の課題がございます。  現在、これらの課題解決のために、都区双方で条件整備に努めてまいりますとともに、国等関係者との協議を行っているところでございます。  平成十二年の清掃事業の区移管を行いますためには、平成十年の通常国会における法改正が必要でございまして、この法改正に間に合うよう万全を期してまいりたいと、かように考えております。  それから、総合的なダイオキシン対策の確立についてご言及がございました。  現在、国においては、ダイオキシン類を大気汚染防止法の指定物質として規制する方向で検討されていると聞いております。都は、これまで、東京湾の水質、あるいは魚類、あるいは都内の大気中の環境調査を進めてまいりますとともに、清掃工場における燃焼管理などの対策を講じてきたところでございます。  今後は、国における法規制の動向などを踏まえまして、環境調査や排出実態調査をさらに拡充いたしてまいりますとともに、焼却施設等に対する規制、指導の強化など、関係各局の連携のもと、東京都におけるダイオキシン対策に総合的に取り組んでまいらなければならないと考えております。  産業政策にかかわります組織のあり方についてご言及がございました。  労働経済局が発足いたしまして、約二十年が経過をしようといたしております。この間、東京の産業を取り巻きます環境は著しく変化をしてきております。これを踏まえましてさまざまな検討を行うことが必要であると、私どもも考えているところでございまして、今後は、二十一世紀を見据えた産業政策のあり方を検討いたしてまいります中で、ご指摘の趣旨も踏まえまして、組織についてもあわせて検討してまいりたいと考えております。  金融機関の破綻処理についてご言及がございました。  昨年の六月のいわゆる金融三法の成立によりまして、信用組合につきましては、今後、原則として、国の財政支出を含め、整理回収銀行において破綻処理を行うこととなりました。したがいまして、都におきましても、この原則に基づいて対応してまいるべきものだというふうに考えております。  シルバーパス制度についてお尋ねがございました。  社会経済状況の変化に柔軟に対応し、都民の新たなニーズに的確にこたえてまいりますためには、すべての施策について、常に基本に立ち返り、そのあり方を検討していく必要があると考えております。  シルバーパス制度は、昭和四十年代に開始したもので、これまでの社会経済状況の中で、高齢者の社会参加を促進し、高齢者の福祉の向上に寄与してまいりましたことは事実でございます。  これから迎える本格的な高齢社会におきまして、高齢者が、地域の中で人々との交流を深め、充実した高齢期を過ごせますよう、時代に応じた施策を構築してまいりますことが重要な課題となっております。このようなことから考えまして、シルバーパス制度について、廃止を前提に検討はいたしておりません。  生活都市東京構想で示されました高齢者福祉施策の推進についてお尋ねがございました。
     生活都市東京構想では、だれもが住みなれた地域で、安心して生き生きと暮らしていけますよう、高齢社会への備えを重点課題の一つと位置づけたところでございまして、今後とも高齢者が必要なときに必要なサービスが受けられますよう、地域福祉推進の主体でございます区市町村等と連携を図りまして、生活都市東京構想でお示しした高齢者福祉施策の目標達成に向けまして、着実に事業を推進してまいりたいと考えております。  乳幼児医療費助成制度についてお尋ねがございました。  乳幼児医療費助成事業は、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりの一環として、平成六年一月から区市町村に対する補助事業として開始したものでございます。  この間、区市町村におきまして、所得制限の緩和など、独自の取り組みが行われてまいりましたことは、十分承知をいたしております。今後とも、実施主体でございます区市町村と連携を図りつつ、円滑な事業運営に努めてまいりますとともに、国に対しましても、制度の創設を要望してまいりたいと考えております。  それから、臨海高速鉄道の大崎延伸についてご言及がございました。  臨海高速鉄道につきましては、臨海副都心へのアクセス向上、東京圏における広域的交通ネットワークの形成及び東京の都市構造の再編にとりまして、極めて重要な路線であると私ども認識しているところでございまして、現在、東品川駅、天王洲駅等の開削部におきまして、工事を進めているところでございます。  本区間の中には、大井町駅周辺の工事など、一定の時間を要する箇所もございます。今後とも、平成十二年開業を目途に全力を挙げて事業に取組んでまいりたいと考えているところでございます。  区部周辺部の環状公共交通の取り組みについてご言及がございました。  このたび、エイトライナーやメトロセブン構想の連携宣言を行った区部西部六区や東部三区におきましては、それぞれ促進大会や調査研究を実施するなど、精力的な活動が展開されており、その意気の盛り上がりを認識しているところでございます。  本構想の推進に向けましては、次期運輸政策審議会答申に反映されることが重要でございまして、このため、庁内に学識経験者を含めました委員会を設置いたしまして、事業の進め方とか、あるいは採算性の問題などにつきまして、実現化のため、さまざまな課題について検討を進めているところでございます。  また、この構想の実現には、今後とも地元の熱意とか支援が重要でございまして、一層都と区の連携を深めて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、腸管出血性大腸菌O157対策についてご言及がございました。  O157の問題は、ご指摘のとおり、保健医療、教育、経営支援など、多方面からの取り組みが必要でございます。そのため、関係局に対しまして、適切な対策を講じるよう指示を行い、都を挙げて対策に取り組んでいるところでございます。  また、今月五日に予定されております東京都食品衛生調査会の緊急提言にも速やかな対応を図り、従来の施策をさらに強化してまいりますとともに、都が一丸となりまして、総合的な対策を推進していかなければならないと考えておるところでございます。  それから、男女平等推進基本条例・仮称の制定についてご言及がございました。  東京都は、これまでも、男女平等の推進を都政の重要な課題と位置づけまして、女性問題解決のための東京都行動計画を策定するなど、全庁を挙げて取り組んでまいったところでございます。  今後、真に男女が平等に参画できる社会を実現してまいりますためには、広く都民、事業者などとの連携による取り組みが必要でございますし、そのため、生活都市東京構想におきまして、早期に男女平等推進基本条例、これも仮称でございますが、これを制定することといたしております。  今後、制定に向けて積極的に取り組みを進め、これが実態として皆様の中に普及してまいるように心がけてまいりたいと考えております。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁をさせていただきます。  以上でございます。    〔財務局長西念晃司君登壇〕 ◯財務局長(西念晃司君) 財政健全化に向けての経常的経費の削減についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  十年度の財政収支見通しを現時点において試算をしてみますと、おおむね三千百億円の財源不足が見込まれます。これを解消するためには、歳入確保努力、投資的経費の一層の削減など、財政健全化計画に定めた事項を確実に実施することに加えて、経常的経費について、一千七百億円という大幅な削減を実施する必要がございます。  そのため、財政健全化に向けた当面の取り組み方針において、内部努力を一層推進するとともに、施策総点検の実施により、九年度の一般歳出のうち、人件費、投資的経費を除く経常的経費を、一般財源ベースでおおむね一〇%以上削減する旨の目標を定めたところでございます。  この方針に基づきまして、ご指摘いただきました点をも踏まえ、経常的経費の削減に取り組んでまいります。    〔政策報道室長佐々木克己君登壇〕 ◯政策報道室長(佐々木克己君) 情報公開制度の見直しに都民の意向を反映させる方法等についてのご質問にお答えいたします。  東京都公文書の開示等に関する条例の改正など、情報公開制度の見直しに当たっては、都民の方々のご意見を十分に伺いながら検討を進めていく必要があるというご指摘でございますが、全くそのとおりでございます。  そこで、この検討のために、公募委員を含む懇談会を設置いたしまして、その運営を可能な限り公開するとともに、検討過程については、広く都民の方々にお伝えできるよう、種々工夫を重ねてまいりたいというふうに考えております。    〔清掃局長福永正通君登壇〕 ◯清掃局長(福永正通君) 循環型社会づくりに関します五点のご質問にお答えを申し上げます。  まず、ペットボトルの回収の成果と取り組みについてのお尋ねでございますが、四月一日からスタートいたしましたペットボトルの店頭回収は、二カ月間で約百二十トン回収することができまして、都区部の回収率は、四月では五%、五月では約一〇%となっております。店頭回収を始める前の回収率が約一%であったことからいたしますと、順調なスタートを切ったものと考えております。  参加店舗数は月を追って増加をしておりまして、六月一日現在で約千三百となっております。今後とも、さらに多くの店舗に参加していただけるよう働きかけてまいります。  また、容器・内容物メーカーに対しましては、個別に説明をし、一日も早く参加していただくように呼びかけてまいります。  次に、古紙の需給や価格の現状と、古紙リサイクルの停滞の原因についてのお尋ねでございますが、現在の古紙をめぐる状況は、需給のバランスが崩れ、過剰在庫となるとともに、価格が大幅に下落をいたしております。とりわけ雑誌は再生利用の用途が限られておりまして、一部地域で回収が停止されるという大変厳しい状況となっております。  この原因は、メーカー、ユーザー、そして消費者の各段階で、古紙や古紙を使用した再生品の需要の伸びが十分でないということにあると考えております。  次に、古紙利用拡大緊急プランに掲げました施策の推進方法についてのお尋ねでございますが、緊急プランを確実に推進していくためには、都みずからが率先して行動するとともに、ご指摘のように、都民、事業者の皆さんとのパートナーシップのもとに、全都的な運動としてこれを展開していく必要がございます。  このため、五月十五日には緊急に東京ごみ会議を開催をいたしまして、都民、事業者の方々に対して、古紙利用の一層の促進、拡大を呼びかけました。  また、五月十六日には、第一回循環型社会づくり推進本部会議におきまして、全庁を挙げて古紙の利用拡大に取り組んでいくことを決定いたしました。  また、四月二十八日には、区市町村と共同いたしまして、国、日本製紙連合会、さらには五月三十日には、大口のユーザーでございます日本新聞協会及び日本雑誌協会に対しまして、古紙の利用促進について緊急要望をいたしました。  今後も、あらゆる機会を通じまして区市町村と連携し、古紙利用拡大緊急プランを全力で推進してまいります。  次に、埋立処分場の見通しについてのお尋ねでございますが、都は、これまで、都民、事業者の方々のご理解とご協力のもとに、事業系のごみの全面有料化、ごみ減量キャンペーン、あるいはオフィスビル等に対する排出指導など、ごみの減量・リサイクルに積極的に取り組んでまいりました。  また、清掃工場や不燃ごみ処理施設の整備を推進をいたしまして、平成八年度末には全量中間処理を達成をいたしました。これらの結果、現処分場は、おおむね平成十年度まで使用することができることとなりました。  また、今月から供用開始をいたしました新海面処分場についても、貴重な最終処分場として、可能な限り長期間使用できるよう、引き続きごみ減量・リサイクルに努めてまいります。  最後に、清掃工場の建設についてのお尋ねでございますが、清掃工場は、廃棄物を衛生的かつ適正に処理する施設でございまして、都市活動を維持していくために欠くことのできない施設でございます。  都は、これまで、可燃ごみ全量焼却と安定的な焼却体制を確保するため、地域から出たごみはその地域で処理するという自区内処理の原則を基本として、清掃工場の建設を進めてまいりました。新たな施設整備のあり方につきましては、清掃審議会で審議をしていただいているところでございまして、その最終答申を踏まえて検討してまいります。    〔環境保全局長田中孝君登壇〕 ◯環境保全局長(田中孝君) ダイオキシン対策についての環境庁における検討結果と今後の取り組みについてのお尋ねにお答えをいたします。  本年五月に発表されたダイオキシン排出抑制対策検討会の報告におきましては、ダイオキシン類を大気汚染防止法の指定物質とした上、一般廃棄物及び産業廃棄物の焼却施設などを指定物質の排出施設とし、排出を抑制することが適当であるとされております。  環境庁におきましては、この検討結果を踏まえまして、夏ごろまでに政令、総理府令などを改正し、ダイオキシン類を大気汚染防止法の指定物質として、排出抑制基準を設けて規制する予定と聞いております。    〔労働経済局長坂庭敏弘君登壇〕 ◯労働経済局長(坂庭敏弘君) 制度融資の見直しについてのお尋ねにお答えいたします。  お話の創業や新分野進出は、そのあり方がバラエティーに富んでいること、また、これらを行おうとする企業などが十分な物的担保を持っていないことなどから、これまでの制度融資では融資が受けにくいといった批判がございますことは、十分承知しております。  このため、本年度から、創業支援融資につきましては、一定年数以上の勤務経験があれば、新たに始める業種いかんにかかわらず、融資の対象とするなどの措置を講じたところでございます。  また、担保の問題につきましては、物的担保だけではなく、経営者の経営姿勢や事業の将来性を勘案した保証をするよう東京信用保証協会を指導してまいりましたが、制度的にも、中小企業の技術力や製品の市場性などを極力重視した新たな保証のあり方について、見直しの中で検討をしてまいります。  こうしたことを通じまして、創業や新分野進出をより活発に具体化させる支援の一助としての制度融資となるよう努めてまいります。    〔福祉局長石川雅巳君登壇〕 ◯福祉局長(石川雅巳君) 二つのご質問にお答え申し上げます。  高齢者サービスステーションについてのお尋ねでございますが、身近な地域におきまして、保健、医療、福祉の連携のとれましたサービスを総合的に提供いたしますため、高齢者サービスステーションを新たに設置することといたしております。  今年度には、在宅介護支援センターを中心に、ホームヘルプサービスと訪問看護サービスを一体的に提供するモデル事業を実施することとしております。  今後、その成果も生かしながら、実施主体であります区市町村と緊密に連携をいたしまして、高齢者サービスステーションの設置促進に努めてまいります。  次に、ゼロ歳児保育についてのお尋ねでございますが、都は、これまでも、国基準を上回る保母の配置や運営費加算を行いますとともに、低年齢児の受け入れや延長保育を実施する保育所整備を優先するなど、その拡充に努めてきたところでございます。  これに加えまして、昨年度からは、ゼロ歳児保育や延長保育を促進するための特別事業を新たに開始しましたところでございますが、ゼロ歳児の受け入れ数や延長保育の実施保育所数も着実に増加をしてきているところでございます。  今後、本年四月に策定をいたしました子どもが輝くまち東京プランに基づきまして、実施主体でございます区市町村とも十分協議をし、できるだけ早期にゼロ歳児の待機を解消いたしますとともに、すべての保育所で延長保育の実施に取り組んでまいりたいと思っております。    〔建設局長土屋功一君登壇〕 ◯建設局長(土屋功一君) 二点のご質問にお答えいたします。  まず、多摩都市モノレールの立川北駅以南の難工事箇所の進捗など、今後の見通しについてのお尋ねでございます。  現在、立川北駅から多摩センター駅間の十・七キロメートルにつきまして、九一%の区間で工事に着手しており、平成十一年度内の開業を目指して鋭意工事を進めているところでございます。  高幡不動駅付近など鉄道との交差箇所や在来橋梁を同時にかけかえる柴崎体育館駅につきましては、作業時間の制約や交通切り回しなどから難しい工事となっておりますが、施工方法の工夫などにより、工期短縮に努めてまいります。  今後とも、鉄道事業者や関係機関の協力を得て、一日も早い開業を目指し、全力を挙げて取り組んでまいります。  次に、北区十条地区のまちづくりについてのお尋ねでございます。  当地区は、ご指摘のように、老朽建物が密集し、防災や住環境などの面で課題を抱えております。このため、本年三月に取りまとめました防災都市づくり推進計画におきまして、十条駅を核とした約九十五ヘクタールを重点地区として選定するなど、防災性の高いまちづくりの実現を目指すことといたしております。  そのうち、十条駅周辺地区につきましては、地元区などと連携いたし、都としても再開発の事業化調査に着手し、関係住民の皆さんとの話し合いを進めているところでございます。  また、十条駅付近の埼京線の立体化につきましては、周辺のまちづくりと歩調を合わせて進めるため、関係機関と構造形式などの検討を行っております。  今後とも、地元区などとともに、事業化に向け努力してまいります。    〔住宅局長篠木昭夫君登壇〕 ◯住宅局長(篠木昭夫君) 都営住宅のスーパーリフォーム事業についてお答えいたします。  初めに、この事業の考え方についてでございますが、この事業は、既存ストックの有効活用を図る観点から、お話にございました昭和四十年代に大量に建設いたしました都営住宅につきまして、建てかえ事業とは別に、老朽化した住宅内部を抜本的に改善し、長期間にわたって使用する住宅として再生していこうとするものでございます。  具体的には、室内のバリアフリー化の推進、台所や洗面所等水回りを含めた間取りの変更及び新築と同程度の設備水準への改善などを行いまして、主として高齢者や小世帯向けに活用していこうとしているものでございます。  また、この方式は、既存の躯体を残し、活用いたしますことから、建設廃棄物が少なく、環境にも優しい手法になると考えているところでございます。  次に、このスーパーリフォーム事業の今後の進め方についてでございますが、現在、迅速な施工方法、コストダウンなどの技術的な課題、入居者への対応方法及び対象団地の選定方針等の検討を局内で行っているところでございまして、準備が整い次第、早期の事業着手を目指してまいります。    〔衛生局長原山陽一君登壇〕 ◯衛生局長(原山陽一君) 腸管出血性大腸菌O157に関する二つのご質問にお答え申し上げます。  まず、感染者の発生状況についてのお尋ねでございますが、ことしに入って五月末までに、既に全国では四百名を超える感染者等が発生し、このうち一名の方が死亡しております。一方、都内では死亡者は出ておりませんが、四十一名の感染者が発生しています。  例年ですと、冬から春にかけての時期は食中毒が鎮静化していますが、ことしはこの時期にも感染者が多発しており、これから食中毒が発生しやすい夏を迎え、O157の動向には、例年にも増して厳重な注意が必要と考えております。  次に、具体的な取り組みについてのお尋ねでございますが、今年度は、O157感染者の発生状況を踏まえ、学校給食施設や集団給食施設などに対する監視指導、大規模調理施設の従事者に対する講習会、都民への普及啓発、食品汚染実態調査などを、特に時期を早めて実施しております。  また、新しい食品の管理方法であるHACCPの考え方を取り入れた営業者への指導や、飲用井戸の実態調査を新たに行うなど、対策を強化する一方、都民と行政を結ぶホットラインの設置等についても検討を行っているところでございます。  さらに、東京都食品衛生調査会からの緊急提言についても、早急に対策を具体化するとともに、東京都食中毒発生防止関係団体連絡会を開催し、公私が一体となって迅速な対応を図ってまいります。    〔生活文化局長奥典之君登壇〕 ◯生活文化局長(奥典之君) 男女平等社会の実現に関する三点のご質問にお答えいたします。  まず、男女平等推進基本条例・仮称の制定に当たって、都民の意見を聞くべきとのお尋ねでございます。  男女平等を推進していくためには、都民、事業者、行政が一体となって取り組んでいく必要がございます。今後、条例に盛り込む内容の検討に当たりましては、有識者による検討とあわせて、広く都民の参加を呼びかけ、その意見を聞く機会を設けてまいります。  次に、男女平等推進のための新たな行動計画の策定に当たっての基本的な考え方についてのお尋ねでございます。  現在、東京都では、女性問題解決のための東京都行動計画に基づき、全庁を挙げて男女平等の推進に取り組んでおります。  これまでの行動計画の成果を踏まえますとともに、第四回世界女性会議における行動綱領の採択や、国における男女共同参画二〇〇〇年プランの策定など、内外の動きに対応するため、新たな行動計画を策定することといたしました。  新たな行動計画は、二十一世紀に向けて、男女がみずからの希望と能力に応じた多様な生き方を選択でき、あらゆる分野で対等に参画できる男女平等社会の実現を目指した具体的な行動計画にしていきたいと考えております。  最後に、女性差別に関する訴訟支援についてのお尋ねでございます。  近年、男女平等の理念が人々の意識の面では理解され始めてきておりますが、いまだに女性に対するさまざまな差別がございます。  このため、男女平等社会を実現するための取り組みの一環として、雇用の場などにおける女性差別に対する訴訟を支援することは、大きな意味を持つものと考えております。  今後、支援の範囲や方法など、具体的な訴訟支援のあり方等について検討の場を設け、有識者を初め幅広く意見を聞くなど、検討を進めてまいります。
    ◯副議長(桜井良之助君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。    午後三時四十五分休憩      ━━━━━━━━━━    午後四時八分開議 ◯議長(熊本哲之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続行いたします。  百二十五番嶋田実君。    〔百二十五番嶋田実君登壇〕 ◯百二十五番(嶋田実君) 私は、民主・リベラル連合都議団を代表して、都政の主要課題について、第十四期都議会最後の代表質問を行います。知事並びに関係局長の誠意ある答弁をお願いいたします。  この議会が構成された九三年は、戦後三十八年間続いた自民党政権が崩壊し、細川連立政権が誕生した記念すべき年でありました。そして、改めて都民の審判を仰いで構成される第十五期都議会は、二十一世紀の扉をあける都議会であります。私たちは、来る四年間で、二十一世紀の日本、二十一世紀の東京の基盤を盤石なものに仕上げていかなければなりません。  そのための第一の課題は、いわゆる地方分権の推進であります。  国の地方分権推進委員会は、この七月初めに、第二次勧告として、財政面や組織面での国の関与である補助金や必置規制の改革、税財源の配分をまとめる予定になっています。しかし、事業官庁を中心とした各省庁の頑強な抵抗により、状況は極めて厳しいものとなっています。団体委任事務についてはさらに先送りされ、第三次勧告になるのではないかとまでいわれています。  私は、分権、自治をめぐるこのような厳しい状況を踏まえて、すべての会派の皆さんに、第二次勧告が時代の要請に合ったものとなるよう、ともに働きかけるよう訴えたいと思います。  同時に、知事におかれましても、地方六団体、全国知事会などとも連携して、国に対して強く働きかけるよう求めるものでありますが、所見を伺います。  また、九四年九月の都区協議会において、特別区を基礎的な地方公共団体とする改革案をまとめて以来、三度目の通常国会を迎えていますが、いまだ都区制度改革に関する地方自治法並びに関係法令の改正案は国会に提案されていません。今世紀最後の年である二〇〇〇年に都区制度改革を実現するためには、遅くとも来年の通常国会にはこれらの改正案が提案され、成立しなければなりません。  必要な課題の整理及び関係機関との調整等を速やかに図り、関係法令の早期改正に努められるよう改めて求めるものですが、所見を伺います。  さて、私は、分権改革に伴う事務配分の見直しに当たっては、区市町村優先を原則として、単独では困難な事務については、各自治体の自主的な合併、広域連合、都への事務委託などで対応できると考えていますが、このほど出された、都から区市町村への分権のあり方検討委員会最終報告も同様の考え方に立っており、基本的には評価できる内容になっています。東京都のこれまでの分権、自治に関する各種提言と同様に、今回の最終報告も、地方分権推進委員会の議論に具体的に生かされることが期待されます。  都としても積極的に国に対して働きかけるとともに、各区市町村とも対等、平等の立場に立って議論を深め、一体となって分権、自治の推進に取り組むよう努めるべきと考えますが、所見を伺います。  また、分権改革は、主権者である市民が自治の主役となるための改革であります。市民が、みずからの負担とサービスの関係をしっかりと認識し、地域の政策について多様な選択が行えるようにする必要があります。そのためには、権限や財源が自治体に移譲されるだけではなく、自治体みずからの改革を伴わなければなりません。  私たちは、さきの予算議会においても、市民との協働、情報公開条例の改正、予算編成手法の改善、行政コストの公開などを提案してきました。  私は、さらに、現行の自治体会計制度の改革が必要であろうと考えます。  市民が、ある政策に対して、経済的、社会的及び政治的な意思決定を行うためには、必要な情報が提供されなければなりません。にもかかわらず、現行の自治体会計制度は、市民のための外部報告会計制度にはなっていません。少なくともアメリカやイギリスの自治体並みに、複式簿記に基づく近代的な会計制度の導入を検討すべきと考えますが、所見を伺います。  また、去る二十九日には、財政健全化に向けた当面の取り組み方針が示されました。  この方針では、六月から九月を施策総点検期間と位置づけ、時代変化への対応、役割分担の明確化など、四つの視点を個別点検基準として総点検を行うとなっています。  私は、さきの予算特別委員会で、施策や事業の効果を測定、判断する仕組みの必要性を指摘しました。その後、五月十五日の東京の活力ある産業を考える懇談会最終提言では、施策の効果測定の基本的な考え方が示されていますし、さきの分権のあり方検討委員会最終報告でも、行政の評価システムの確立に触れています。  私は、今回の施策総点検は、今後、施策や事業を評価するシステムを構築していく上での貴重な材料を提供するものになるであろうと考えます。この施策総点検を将来の評価システム構築につなげていくためにも、あらかじめシステム構築を視野に入れて施策総点検を行うべきと考えますが、所見を伺います。  次に、第二の課題として、循環型社会づくりについて伺います。  九二年の地球サミット以来、地球環境保全のための行動は国際的なコンセンサスとなり、ことし十二月には京都で気候変動枠組み条約の第三回会合が予定されるなど、動きは速さを増しています。  こうした流れの中で、人口一千百七十七万人の東京で循環型社会づくりの取り組みが効果を上げ、そのノウハウが他の都市や今後経済発展と人口集中が予想されるアジアの大都市に移転されるならば、その地球環境への貢献ははかり知れないものがあろうと思います。  しかし、こうした問題に対しては、技術革新や行政の働きかけだけではなく、市民一人一人の行動が解決の決め手であり、市民と行政、企業等との協働なくしては何事も前進しないと考えます。  同時に、自治の主役である市民とともに、都政もまた市民の視点に立ち、ともに働く者、協働者として取り組まなければ、循環型社会づくりは進まないと考えますが、所見を伺います。  東京都はこのほど、都庁エコ・アップ計画を策定されました。都内総支出の約三%、金額で二兆五千億円を占める都内最大の事業者であり消費者である東京都が、循環型社会づくりに向けて、環境への負荷を低減するための行動をみずから率先して実行していくことは、極めて重要なことであります。  この計画によれば、二〇〇〇年度を目標にして、古紙配合率を七〇%以上、指定低公害車の普及割合を一〇%以上にしたり、電気、水の使用量を一〇%以上削減するなどの数値目標が掲げられています。  私は、この計画の実行を知事みずからが先頭に立って進めていくことを明らかにするためにも、例えば、本庁の庁有車を率先して低公害車にするとか、現在ごみとして有料で排出している職員食堂の生ごみをコンポスト化するなどの具体的な行動を示す必要があると考えますが、いかがでしょうか。  また、この計画は、いわば都庁の対外的な公約であり、この成否は社会全体に大きな影響を及ぼすことになります。  定期的に進捗状況を点検するなどの進行管理を行うとされていますが、具体的にはどのようにチェックを行い、どう各局を指導していくのか、また、社会経済状況の変化によっては、計画期間中の目標値の上方修正など、より厳しい義務を課していく必要もあると考えますが、所見を伺います。  私たちは、さきの議会で、縦割り行政の弊害を指摘しましたが、今回、循環型社会づくり推進のために設置された循環型社会づくり推進本部は、従来のようなピラミッド型の上意下達の組織ではなく、新たな取り組みの観点から、東京ごみ会議や東京都環境会議など、これまでも循環型社会づくりの実現に向けて活躍する組織が推進本部と協力し、連絡し合うネットワーク型の組織として位置づけています。  このような横断的で弾力的な取り組みは、これまでいわれてきた都庁の縦割り弊害を克服していく試みとして初めてのものであり、前回の私たちの指摘にこたえたものとして高く評価するものであります。  成熟社会への時代変化の中で、都政の重要課題を解決し、都民ニーズに的確にこたえていくためには、このような横断的な取り組みが不可欠であります。その意味で、今回の取り組みは、都政のリーディングケースとなるものであり、ぜひとも成功させなければならないと考えますが、知事の決意を伺います。  次に、総合的な交通需要の管理について伺います。  東京はもとより、東京圏全体の効率的な都市活動を実現するためには、円滑な都市活動を阻害している交通渋滞の解消を図り、利便性を向上していくことが必要であります。  交通渋滞の解消は、さきの議会で我が会派の佐々木議員が指摘したように、都バスの走行速度が時速四キロメートル伸びただけでも、百億円以上もの経費削減効果があり、都内産業全体で見れば、はかり知れない経費削減効果があります。  しかし、近年は、多品種少量、多頻度、時間指定などの多様な物流ニーズが交通量を増大させ、これらを中心とする業務輸送が道路に対する負荷を大きくしています。  交通渋滞を解消するためには、道路容量を拡大するという道路整備の取り組みだけではなく、今ある道路や公共交通を企業や利用者がいかに上手に使っていくかという交通需要マネジメントの視点での総合的な取り組みが必要であります。  これまで、東京のような大都市では、交通需要マネジメントが試みられたことがないため、課題は大きく複雑であると思いますが、都民や企業、関係機関の合意と協力を得て、実効性のある着実な取り組みが必要と考えますが、知事の所見を伺います。  次に、都心居住について伺います。  現在、国会において都市計画法及び建築基準法の改正案が審議されています。その内容は、一つには、指定容積率四〇〇%の住居系地域などで容積率を最大六〇〇%までに引き上げるもの、もう一つは、共同住宅の共用部分を容積率の算定から外し、これまでの約一・二倍の容積率の住宅建設を認めるものであります。これらの法改正については、住宅の高層化で住環境が悪化するなどとの批判の声が上がっています。  東京都市白書、94によれば、四〇〇%以上の容積率の地域は、都内の広い範囲で指定されているものの、それに見合う道路など都市基盤の整備がされている地域は限られている旨指摘しています。また、東京都における区部の日影規制に関する建築紛争件数は、ここ数年ふえており、特に住居系地域では大きく伸びています。  知事は、こうした都市の容量と都市の基盤の整備水準とのあり方、また日照の確保など、望ましい住環境のあり方についてどのような認識をお持ちか、見解を伺います。  また、去る四月三十日には、東京都と十八の特別区に建設省や住宅・都市整備公団も加わった都心居住推進本部が設置されました。この推進本部は、民間事業者等が行う都市開発プロジェクトの受け付け窓口となり、必要に応じて関係行政機関への照会、調整を行うものであります。  特別区の中には、今回の法改正やこうした動きに疑問を投げかける区長さんもおり、東京都においても、地域の実情に応じたまちづくりを進めていくことは重要な課題であります。  知事は、所信表明の中で、特に都心居住については、都市環境や地価の影響を含め、主体的に施策の検討を行うとともに、地元自治体の主体性を尊重した、住民参加のまちづくりが進められるよう、関係区と十分協議、調整しながら推進すると述べています。私も、知事と思いを同じくするものであります。  ここで改めて、地元自治体の主体性を尊重した、住民参加のまちづくりを進めるための知事の決意を伺います。  次に、青少年の健全育成について伺います。  今議会には、テレホンクラブ等営業及びデートクラブ営業の規制に関する条例、いわゆるテレクラ条例が提案されています。  私は、風俗営業法では規定されていないこれらの営業の規制については、青少年の健全な育成を阻害する行為を防止し、清浄な風俗環境を保持していく観点から、基本的には望ましいものであると考えます。  また、こうした取り組みは、市民活動を初め広範な都民と連携して行われることが望ましく、今回の条例に都民との連携による環境改善活動が盛り込まれたことは、評価するものであります。  この活動は、青少年の健全育成にかかわる市民団体などが、駅の周辺等の環境改善が必要な地域においてキャンペーンを行い、また、東京都も、都民の活動と連携しながら、テレクラ等の張り紙や立て看板を除去していくというものであります。  私は、こうした市民と行政との連携による取り組みをさらに充実させながら、青少年の健全な育成を図っていくべきと考えます。知事の市民との連携に対する意気込みを伺いたいと思います。  次に、警察職員の立ち入りについて伺います。  テレクラ条例では、警察職員は、この条例の施行に必要な限度において、テレクラ等の営業所などに立ち入り、帳簿、書類、接続設備、その他の物件を検査し、または関係者に質問することができる旨を規定し、立ち入り及び帳簿等の検査を拒み、妨げ、もしくは忌避した者を十万円以下の罰金としています。この規定は、八四年の風営法の改正の際にも、令状主義や不利益供述強要の禁止に抵触するのではないかと大激論になった条項で、政府提出の風営法案でも、警察職員の帳簿等の検査などが規定されていましたが、結局この項目を削除した修正案が可決されて今日に至っています。  風営法案で削除された項目をテレクラ条例に盛り込んだことにより、警察職員の帳簿等の検査については、風俗関連営業などよりも、テレクラ営業の方が厳しくなっています。私は、警察職員の立ち入り等の規定については、他の法令とのバランスなどを考慮しながら慎重に規定すべきではなかったかと考えますが、見解を伺います。  最後に、知事を初めとした理事者の皆さん、各会派の皆さん、この四年間、時には対立し、時には協力し合いながら、ともに都民福祉の向上に努めてこられたことを光栄に思い、皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。  来る東京都議会議員選挙での各会派の皆さんのご奮闘を心からご祈念申しつつ、私たち民主・リベラル連合都議団も全力を挙げて選挙を頑張り、また皆様とともに都政発展に向けて全力で頑張ることを心からお誓い申し上げまして、私の代表質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    〔知事青島幸男君登壇〕 ◯知事(青島幸男君) 嶋田実議員のご質問にお答え申し上げます。  まず、地方分権に関する国への働きかけについてご言及がございました。  東京都は、これまでも、地方六団体、全国知事会、七都県市などと連携をいたしまして、国に対しまして働きかけを続けてきたところでございます。最近では、五月下旬に地方六団体主催の地方分権推進全国代表者会議というのを設けまして、ここで分権の決議を採択し、それぞれ地元選出国会議員に要請活動を行ったところでございます。また、先日、都から区市町村への分権のあり方検討委員会から、全国自治体の立場に立った数々の新しい提言を含む答申をちょうだいいたしました。この答申をもとに、地方分権推進委員会等へ税源の移譲、それと必置規制の廃止などを具体的に働きかけてまいりたいと考えております。  地方分権推進委員会の検討状況は厳しいと認識をいたしておりまして、今後とも地方六団体等と連携し、一層働きかけを強めてまいりたいと考えております。  次に、都区制度改革についてお尋ねがございました。  この改革は、今後の東京の自治にとりまして極めて意義ある重要な改革でございまして、平成十二年の改革実現のためには、十年の通常国会におきます法改正がぜひとも必要でございます。このような観点から、去る四月に都区制度改革推進本部会議を開催いたしまして、必要な課題の整理及び関係者との調整等を図り、平成十年の法改正を目指すという方針を定めたところでございます。  現在、この方針に基づきまして、各局が関係法令の改正に向けまして、国等との調整に精力を傾けているところでございます。私自身もその先頭に立ちまして、改革の実現に邁進してまいりたいと考えておるところでございます。  地方分権推進の取り組みについてご言及がございました。  東京都では、国の地方分権推進委員会の勧告や地方分権推進計画の動向などを踏まえつつ、都としての地方分権推進計画を作成する方針でございます。この計画を作成するに当たりましては、都から区市町村への分権のあり方検討委員会の答申の趣旨を踏まえまして、区市町村と対等、協力の立場で十分協議しまして、都と区市町村の分権と自治の推進に向けまして、ともに取り組んでまいりたいと考えております。  循環型社会づくりを進めるための都政と都民との協働についてお尋ねがございました。  循環型の社会をつくってまいりますためには、都政と都民、事業者との強固なパートナーシップのもとに、ともに考え、ともに行動するという都民運動を築いてまいりますことが肝要であるというのは、ご指摘のとおりでございます。  また、循環型社会づくりは、社会システムやライフスタイルの転換をも意味するものでございまして、お話のように、都政におきましても、市民の視点に立った取り組みが重要な課題でございます。今後、さまざまな方法を工夫いたしまして、都民や事業者の方々と一体になりまして、循環型社会の実現に取り組んでまいりたいと、かように考えている次第でございます。  都庁エコ・アップ計画の進行管理などについてご言及がございました。  この計画の目標を達成してまいります上では、進行管理をいかに行うかが極めて重要でございます。このため、各局にエコ・アップ責任者及びエコ・アップ推進員を置きまして、計画の推進を図ってまいりますとともに、各局の取り組み状況について、毎年度、特に数値目標を掲げた重点取り組みにつきましては年に二回の報告を求めまして、その結果を公表するなど、計画の実効性を高めるための工夫を重ねてまいりたいと考えております。  今後、社会経済状況の変化や計画の進捗状況を見きわめながら、より高い目標の実現を目指しまして、全庁を挙げて取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  循環型社会づくりにおける横断的な取り組みについてご言及がございました。  循環型社会づくりは、課題の範囲が広く、また、住民や事業者との連携、協働が大変重要でございます。そのため、推進体制につきましては新たな工夫を行いまして、主体的に活動する部門別の会議体が推進本部のコーディネートのもとに、相互に連携をとり、協力し合っていく課題解決型の組織として取り組んでいるところでございます。今後、私自身がこの新しい推進体制の先頭に立ちまして、おっしゃられるように横断的な取り組みを進めまして、循環型社会の実現に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。  総合的な交通需要の管理についてご言及がございました。  都市交通の円滑化や安全性の確保、大気汚染の改善などを図ってまいりますため、公共交通、道路の整備とあわせまして、自動車交通量の抑制を含みます総合的な交通需要の管理に積極的に取り組んでまいることが肝要かと考えております。この課題に横断的に取り組むため、庁内に連絡調整会議を設置いたしまして、施策のシミュレーション調査などに向け、検討を始めたところでございます。  東京のような大都市で交通需要管理を広範囲に実施いたしてまいりますことは、なかなか容易ではございません。しかし、今後さらに、国などを含む関係機関との協議を重ねまして、効果的な施策を検討し、都民や企業の方々との合意、協力を得ながら実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  都心居住についてご言及がございました。  まず、都市容量と都市基盤の整備水準とのあり方につきましては、職と住、都市開発と都市基盤整備、地域間の三つのバランスを確保してまいりますことが東京の都市政策の主要課題であると考えておりまして、都心居住を実現する上でも、これに見合った道路等の都市基盤の整備水準が確保されるということが前提になっております。  次に、望ましい住環境といたしましては、住生活を支える都市基盤の整備、生活の快適性や利便性を高める住サービス機能の確保を図りますとともに、区部の中心部においても、住戸における通風、あるいは採光等に十分配慮していくことが肝要であろうと考えております。  地元自治体の主体性を尊重いたしました、住民参加のまちづくりの推進についてご言及がございました。  身近な生活圏を重視いたしましたまちづくりを進めてまいりますためには、区市町村が住民と、まちの課題やあるいは将来像について、ともに考え、ともに行動し、ともに実現していこうという姿勢がなければなりませんし、そのためには、協力、協調によるまちづくりが最もふさわしいというふうに考えております。都は、地域住民に最も近い地元自治体が自主性を十分発揮できますよう、その取り組みを積極的に支援してまいりますことにより、都心居住を推進し、居住の場としても魅力のある東京をつくっていかなければならない、このように考えているところでございます。  青少年の健全育成についてご言及がございました。  青少年が社会の担い手にふさわしい人間として育ち、また、育てられていきます環境をつくり出してまいりますためには、都民の願いを集めた多様で広範な運動を、都民と連携して展開していくことが必要でございます。現在も都内の各地域で、多くの都民の方々が環境改善のために努力をされておられます。都では、条例制定を機に、今後、これらの方々を初めとする広範な都民の方々や、あるいは区市町村と連携を強化いたしまして、街頭キャンペーンを実施するとか、青少年にとって良好な環境づくりのために、より活発に活動を展開していかなければならないというふうに考えているところでございます。ぜひともご理解とご協力をお願いする次第でございます。  その他の質問につきましては、警視総監及び関係局長から答弁させていただきます。  以上でございます。    〔警視総監前田健治君登壇〕 ◯警視総監(前田健治君) 風俗営業適正化法では規定されていない警察職員の質問及び検査について、風俗関連営業等よりも、テレホンクラブ等営業などを厳しく規制する必要があるのかというお尋ねにお答えをいたします。  行政監督上の立ち入りとは、行政機関の職員が行政法規の執行を確保するために、当該行政機関の監督を受ける営業所等に、質問または検査のために立ち入ることをいうものであります。風営適正化法の立ち入りにつきましても、行政監督上の必要から営業者に対する査察や質問を行うために立ち入るものであることから、この立ち入りにつきましては、質問または検査ができるとされているのであります。  東京都テレホンクラブ等営業及びデートクラブ営業の規制に関する条例の立案に当たりましては、立ち入り規制のある古物営業法を初め、警備業法、また、ほとんどの道府県において制定されたいわゆるテレクラ条例等にも本条例と同様の規定がなされているところから、これらを参考にして検討を加え、本条例の目的であります青少年の健全な育成を阻害する行為の防止及び清浄な風俗環境の保持の実効性を期す観点から、また、立ち入り目的をより明確にするため、帳簿等の検査などについて規定したものであります。  なお、立ち入りにつきましては、直接営業所等に入るものであるため、営業者にとって負担が大きいものでありますことから、立ち入りを規定した条例の第十七条においては、その第一項において、営業者にとって負担の少ない、報告及び資料提出要求という方法を原則とすること、第二項において、客が在室している個室等を除くこと、第三項において、身分を示す証明書の携帯をすること、第四項において、犯罪捜査のために認められたものではないこと等を規定し、行政監督上の必要最小限の立ち入りであるべきことを明記し、立ち入りに伴い、当然行われる質問及び検査についても、条文に規定することによってその明確化を図っているところであります。
       〔財務局長西念晃司君登壇〕 ◯財務局長(西念晃司君) 財政問題二点についてお答えを申し上げます。  まず、自治体会計制度の改革についてのお尋ねでございますが、健全な財政運営のためには、長期的、計画的かつ経営的視点を持つとともに、都民の皆さん方にわかりやすい形で財政の情報を提供していくことが重要であると認識をしております。ご指摘いただきました複式簿記に基づきます会計制度の導入につきましては、今後の財政運営における研究課題とさせていただきます。  次に、施策総点検における施策の評価についてのお尋ねでございます。  社会経済状況の変化に対応し、都民の新たなニーズに的確にこたえていくためには、都のすべての施策について、その原点に立ち返って見直しをしていくことが不可欠でございます。今回の施策の総点検に当たりましては、こうした観点から、点検の共通の尺度として一定の基準を設け、これに基づき、多角的に施策を評価し、見直しを行っていくこととしてございます。こうした努力を通じて、今後一層適切な施策の評価に努めてまいりたい、このように考えております。    〔環境保全局長田中孝君登壇〕 ◯環境保全局長(田中孝君) 都庁エコ・アップ計画における具体的な取り組みについてのお尋ねにお答えを申し上げます。  この計画は、循環型社会を実現する上でも大変重要であり、今後、具体的な行動マニュアルを作成するなどして着実に推進していくこととしております。  なお、ご提案の低公害車の率先導入につきましては、技術開発の動向を踏まえ、今後とも積極的に推進してまいります。  また、職員食堂の生ごみのコンポスト化につきましても、昨年度、実験的に行ったところでありますが、今後、機器の技術革新の状況等を踏まえまして、その実現に向け、さらに努力してまいりたいと考えております。      ───────────── ◯議長(熊本哲之君) 百二十七番木村陽治君。    〔百二十七番木村陽治君登壇〕 ◯百二十七番(木村陽治君) 私は、日本共産党都議団を代表して質問いたします。  四月から消費税率引き上げが実施され、人々は毎日何を買っても五%がついてくる生活を送りながら、みずからの国の政治のひどさに歯ぎしりをするような思いを強めています。この二カ月、国会では消費税増税に続き、沖縄県民の土地を永久に取り上げる特別措置法の改悪、新たに二兆円の負担を国民に押しつける医療制度の改悪、女子労働者保護規定をなくす労働基準法改悪、子供たちの世界にギャンブルを持ち込むサッカーくじ法などが、広範な国民の声を押しつぶして進められています。しかも、日本共産党以外の政党が与野党の垣根を越えて、ろくな審議もせずに、まるでところてんを押し出すように悪政を推進するさまは、これまでの国会の歴史に例を見ない異常な事態として多くの人々が指摘しています。  このオール与党政治の悪政が九兆円の負担増となって、国民生活への空前の重圧となろうとしているとき、都政に求められているのは、でき得る限り都民生活を守る防波堤の役割を果たすことです。ところが、知事、今あなたがやろうとしていることは、国政における国民いじめに加えて、都政においてもさらに全面的な都民いじめを加えようとしていることであります。  知事、あなたは去る二十九日、財政健全化計画の目標を達成するための当面の取り組み方針を発表しました。これによれば、六月から九月までにすべての施策を、時代の変化への対応など四つの点検基準に基づいて総点検することとし、そのすべてで施策の存廃を含めて見直すことが明記されました。とりわけ、原則基準として、事業開始以来おおむね二十年以上経過した事業については、存廃などを含めた根本からの見直しを行うことが強調されています。  事業開始以来二十年以上続いている施策といえば、それなしには生活設計が成り立たないほど都民に深く定着している施策が数多く含まれています。例えば、革新都政時代につくられた老人福祉手当、老人医療費助成、障害者でいえば心身障害者福祉手当、日常生活用具の給付補助、子供たちには児童育成手当、保育所運営費補助などがその一例です。  これらの施策をねらい撃ちにして、廃止も含めて根本から見直しを進めるということは、すなわち、革新都政の成果に根こそぎ大なたを振るおうとするものにほかなりません。鈴木都政も革新都政の事業を崩そうとしましたが、これほどひどい方針を出したことはありません。これを今あなたは、オール与党体制のもとで一挙に強行しようとしているのであります。まさに都政史上最悪の暴挙といわなければなりません。  同時に許しがたいのは、この重大な施策総見直しの進め方のひどさです。知事、あなたはこれを、都議選が終わるまでは、どの施策がどう見直されるかは一切明らかにせず、ひそかに作業を行い、一気に来年度予算に反映させる問答無用のやり方で進めようとしているのであります。こんなやり方は、主権者である都民を無視し、民主主義を踏みにじるものにほかなりません。知事、なぜ見直しの具体的内容を都議選前に明らかにして、都民の審判を受けないのですか、はっきりお答えください。  以下、私は、財政健全化計画による施策切り捨ての影響がとりわけ深刻な問題となる事項に絞って質問いたします。  第一に指摘しなければならないのは、高齢者福祉に対する集中的な攻撃が際立っていることです。財政健全化計画で制度の根本にさかのぼって見直すと名指しされているのは、シルバーパス交付事業と老人医療費助成制度の二つです。しかし、廃止も含めて見直す二十年以上続いた施策には、老人福祉手当、福祉電話、友愛訪問事業、家庭奉仕員事業と、高齢者施策のほとんどが含まれています。敬老金は既に廃止条例が強行されました。さらに、高齢者への影響が特に深刻な国民健康保険の改悪、老人クラブ運営費補助の切り下げなど、まるで高齢者は東京に住むなといわんばかりです。  年金で暮らしている人が今回のシルバーパス取り上げの計画を聞いて、私は一切れの魚の切り身を二度に分けて食べている、そういう生活をしている者が消費税五%にどんなに苦しんでいるか、その高齢者を助けるのではなくて、がけから突き落とすのが東京都の仕事なのかと、怒りの声を上げています。そもそも敬老パスは、社会に貢献されたお年寄りへのご苦労さまというねぎらいと、お年寄りの社会参加の意味を込めて、一九七四年に誕生したものです。  知事、この趣旨が失われたとでもいうのですか。高齢者は家にこもっていろとでもいうのですか、お答えください。  今、医療保険制度の改悪による患者負担の増大に加え、病院に通うバスの負担までふえたら、もう病院にも行けない、こうした悲痛な声が広がっているのです。シルバーパスは高齢者の生活の足として欠かせないものとなっているのです。だからこそ、あなたが廃止も含めて根本から見直すという方針を打ち出したことに対して、怒りの声を高め、無料の制度として存続を求める運動を広げているのです。  ある党は、都の計画に廃止なんて一言もないなどと、ビラまでまいて宣伝していますが、それがどんなにでたらめかは、知事が発表した今回の取り組み方針を見れば、一目瞭然です。知事は、先ほどシルバーパスについて廃止を前提には検討していないと答弁されました。ということは、シルバーパスについては、当面の取り組み方針が明記している、存廃を含む根本見直しの対象から外す、つまり廃止はしないと決めたのか、それとも方針どおり存廃を含む検討をしているのか、明確にお答え願いたい。  また、所得制限の強化や全面有料化はせず、現行の無料制度を堅持する、シルバーパスは取り上げないとはっきり約束すべきですが、それぞれに答弁を求めます。  老人医療費助成制度は、革新都政が全国に先駆けて実施し、これが国制度となったものであり、まさに都が誇るべき施策であります。そして、老人医療費助成制度が国制度になったときに、都は年齢を六十五歳に引き下げて、現在のマル福制度がスタートいたしました。これは六十五歳前後の高齢者の疾病率の高さと、この時期の治療の重要性から生まれたものにほかなりません。知事、六十五歳から六十九歳までの医療の必要性が薄れたと考えているのかどうか、明快にお答え願いたい。  今、国が医療制度の大改悪を行い、負担増がお年寄りに対して直撃しようとしているときに、老人医療費の助成の都制度を根本から見直すというのは、情け容赦もなく追い打ちをかけるものではありませんか。老人医療費助成制度の見直しは撤回すべきです。答弁を求めます。  第二に、財政健全化計画で、私立学校経常費補助を制度の根本にさかのぼって見直すべき施策のトップに挙げていることは、極めて重大です。  都内の高校生のうちの五七%が私立高校に学んでいます。私立学校経常費補助は、父母、都民、私学関係者などが協力し合い、長年にわたる運動と努力によって、八六年にようやく二分の一経常費補助が実現し、九〇年代には公立学校標準運営費の二分の一補助方式が実現したのです。  こうして確立した補助方式は、鈴木前知事もかつて表明したように、私学教育の重要な役割にかんがみ、今後の生徒減少期に対応できるようにするためでした。これから本格的に減少期を迎えようとするとき、この制度を根本から見直すということは、父母負担を大幅にふやし、生徒減少期に私学はつぶれても構わないということではありませんか。  都は、既に今年度、補助配分方法の重大な改悪を行いました。どの学校にも、減点評価のみをカウントする方法によって補助金を配分する。このことによって、事実上、二分の一補助という歯どめをなくすようにしたのです。同時に許せないのは、都立高校については、四十校に及ぶ統廃合計画と運営費の削減を露骨に打ち出していることであります。生徒減少期だからこそ、どの子にもゆとりのある教育条件をつくる絶好の機会として、施策を拡充すべきではありませんか。  知事、私立学校経常費補助の削減を行わず、標準的運営費二分の一補助制度を堅持すべきです。また、都立高校の運営費の削減や統廃合を行わず、三十人学級の実現を図ることこそ追求すべきではありませんか。あわせてお答えください。  第三に、都営住宅について、都内の住宅は量的に充足されたなどといって、根本から見直すことを掲げていることです。  都は、この立場から、既に今年度、建設戸数を一千戸も削減し、管理運営からも撤退する方向を明らかにしています。しかし、都民の住宅事情は深刻です。サラリーマン世帯や子育て世帯などが安心して入れる低家賃の住宅は、探してもありません。昨年の申込倍率は、平均で三十二倍という高さです。しかも、低過ぎる収入基準のために、最初から申し込みをあきらめざるを得ない都民が数多くいるのです。  知事、都民が求めているのは、都営住宅からの撤退ではありません。住宅対策を一層拡充し、希望者が待たずに入居できるように責任を果たすべきだと思いますが、答弁を求めます。  第四に、中小企業制度融資の大後退をねらっていることです。都は、既に、中小企業融資の財源となる金融機関への預託原資を削減する方向に踏み出そうとしています。計画は、あたかも中小企業は幾らでも都市銀行から融資を受けられるかのようにいっていますが、とんでもない話です。不況の中で、零細な業者は相変わらず銀行に選別され、借りられず、あげくに倒産という事例は後を絶ちません。ある業者は、都のお役人は銀行との交渉に立ち会ってみるがいいと、怒りの声を上げていました。中小企業融資制度は、本来、零細企業のつなぎ、駆け込みの融資としてつくられたものであり、今日、不況が長引く中で、この意義はますます大きくなっているのです。  知事、不況対策緊急特別融資や環境変化適応融資など、都独自の融資制度を後退させないことを明言すべきです。また、無担保無保証人融資を維持し、融資額の引き上げなど拡充すべきです。見解を求めます。  第五に、鈴木前都政の三年ごとの公共料金値上げではなお不十分だとして、これまでの公共料金の算定方法を変更してまで、一斉に大幅な値上げを行おうとしていることであります。  計画によれば、それによって都民から吸い上げる目標額は、一般会計だけで九十億円と、当初予算としては過去最高の二倍にも達する大幅な値上げになります。文化教育施設の使用料のように、これまで社会教育の振興の見地から原価の二分の一に抑えてきたものは、この枠を取り払うことによって、二倍にはね上がる例さえあります。消費税増税の上に、長い不況で苦しむ都民生活をこれほど苦しめることはありません。公共料金一斉値上げはやめ、都民生活にかかわる公共料金は極力低く抑えることを原則とすべきです。お答えください。  財政健全化計画の根本見直しの例示に下水道事業が挙げられています。しかし、計画の内容は、雨水処理など当然一般会計で負担すべき経費を削り、料金に転嫁することにこそ最大のねらいがあると思われます。上下水道料金については、九四年に一六%値上げした際の中期計画が今年度で終わり、来年度はまた既に値上げが予定されています。しかし、上下水道事業とも毎年営業収支は大幅な黒字となっており、ゼネコン奉仕の過大投資を見直さず、投資的経費が足りないなどと値上げを繰り返すことは許されません。見解を伺います。  第六に、区市町村への補助金にも大なたを振るおうとしていることであります。  市町村への補助率が二分の一を超えるものを軒並み削減するとしていますが、高齢者在宅サービスセンター運営費補助、老人医療給付交付金、ひとり親家庭医療費助成、心身障害者援護事業、被保護世帯修学旅行支度金、ボランティアのまちづくり推進事業など、福祉分野の補助事業だけで都の補助率が二分の一を超えているものは、二十八種類にも及びます。そのいずれもが、むしろ一層、施策拡充のために都の責任が求められているものばかりです。  都の福祉の多くは、実際は区市町村を主体とした事業です。財政力の弱い自治体に対して補助金をカットし、区市町村に肩がわりを押しつけたら、多くの福祉施策は実施不能となり、都としての責務を放棄することになります。とりわけ財政力の弱い市町村の住民に対しては、多摩格差を一層広げる結果になることは、火を見るよりも明らかではありませんか。  知事、区市町村への補助金切り下げは撤回すべきですが、見解を求めます。  以上明らかにしてきたような、この都民いじめの大計画に対して、我が党の提案を踏まえたもの、今後の都政の羅針盤などといって賛美しているオール与党の責任は、極めて重大であります。  都財政の困難を理由にするならば、その最大の原因である臨海副都心開発を初めとするゼネコンのための浪費にこそメスを入れるべきであります。ところが、臨海副都心については、財政健全化計画でいう廃止を含む根本からの見直しどころか、依然として聖域として扱い、今後、一兆六千億円以上の都民の血税を投入しようとしているではありませんか。財政健全化計画を賛美しているオール与党勢力は、そろって、既に破綻している臨海副都心開発を推進することによって、都政を泥沼に引きずり込む道を突き進んできたのです。その責任を棚上げにしてツケを都民に回すなどということは、都民からの厳しい審判を免れ得ないでありましょう。  今、都政に問われているのは、我が党がこれまで繰り返し述べてきたように、臨海副都心開発はもとより、十兆円を超す区部、多摩地域の都市計画道路、二兆円を超す高速道路多摩新宿線構想など、ゼネコン型の浪費を抜本的に見直し、都政を、暮らし、福祉優先に転換することであります。この都民の立場に立って都政の大もとを切りかえる道にこそ、都政の未来があります。  我が党は、都民とともにこの方向に進むために全力を挙げる決意であることを表明して、質問を終わります。(拍手)    〔知事青島幸男君登壇〕 ◯知事(青島幸男君) 木村陽治議員のご質問にお答え申し上げます。  まず、施策見直しについてお尋ねがございました。  都財政の健全化を達成し、都民の新たなニーズに的確にこたえてまいりますためには、都のすべての施策について、その原点に立ち返って見直しを行っていくことが不可欠だということを、私は再三申し上げております。  そのため、全庁を挙げて施策総点検に取り組むことといたしまして、特に六月から九月を施策総点検期間と定めまして、今後、各局において、一定の基準に基づきまして多角的に点検し、根本から見直しを行っていくところでございます。  こうした総点検の検討結果につきましては、都議会においてご議論をいただき、その上で実施に移されていくものでございまして、今回の施策見直しの進め方についてのご指摘は、当たらないものと考えております。  シルバーパス制度の趣旨についてのお尋ねでございますが、シルバーパス制度は昭和四十年代に開始したもので、これまでの社会経済状況の中で、高齢者の社会参加を促進し、高齢者の福祉の向上に寄与してきたものと考えております。  制度の見直しについてお尋ねでございますが、社会経済状況の変化に柔軟に対応し、都民の新たなニーズに的確にこたえてまいりますためには、すべての施策について常に基本に立ち返り、そのあり方を検討していくことが必要であると申し上げております。  これから迎える本格的な高齢社会におきましては、高齢者が地域の中で人々との交流を深め、充実した高齢期を過ごせますよう、時代に応じた施策を構築していくことが重要な課題であるという認識を持っております。  先ほどもお答え申し上げましたように、シルバーパス制度につきましては、廃止を前提には検討しておりません。  また、現行制度の堅持などについてのお尋ねがございましたが、シルバーパス制度のあり方の具体的内容につきましては、今後検討する中で明らかにされていくべきものと考えております。  六十五歳から六十九歳までの医療の必要性についてお尋ねでございますが、すべての国民が健康を保持していけますよう、年齢にかかわりなく適切に医療が提供される必要があると基本的に考えておるところでございます。  老人医療費助成制度の見直しについてお尋ねがございました。  事業開始後、平均寿命は、男性で六十九歳から七十六歳に延びるなど、高齢者を取り巻く環境は変化をしております。本格的な高齢社会に向けまして、高齢者が地域の中で安心して充実した高齢期を過ごせますよう、時代に応じた施策を構築してまいりますことは、重要な課題でございます。  このようなことから、すべての施策について常にその基本に立ち返り、そのあり方を検討していくことが必要であることから、老人医療費助成制度につきましても、今後十分に検討を重ねてまいりたいと考えております。  私立学校経常費補助についてご言及がございました。  私立学校は、長い歴史と伝統に培われた独自の校風やあるいは教育理念を通じまして、特色ある教育活動を実践し、都民の多様な要望にこたえてまいりました。  都は、これまで、公教育に果たしている私立学校の役割の重要性を踏まえまして、私学助成に努めてきたところでございます。  今日、社会経済状況や私立学校を取り巻きます環境は、大きく変化をしております。このような状況の中で、私立学校経常費補助のあり方につきましては、今後十分に検討し、適切に対処してまいりたいと考えております。  都営住宅についてご言及がございました。  都営住宅の供給に当たりましては、従前より、東京都住宅マスタープランに基づき、住宅に困窮する低所得者向けに着実な推進を図ってきたところでございます。  今後、引き続き、最低居住水準未満世帯の解消に重点を置きまして、高額所得者の明け渡し促進などによる既存ストックの積極的な活用を行うことや、区市町村との役割分担を図りながら、適切に対処してまいりたいと考えております。  公共料金についてご言及がございました。  財政健全化計画におきまして、使用料、手数料について受益者負担の適正化を図ってまいります観点から、事業実施に必要な経費、すなわち原価を利用者等に負担していただくという原則に立ちまして、改めて根本的に見直しを行うことといたしております。同時に、計画におきましては、コストの縮減や利用率の向上などにより、原価そのものの適正化をあわせて行うことといたしております。  今後、こうした点につきましてもさらに検討を進めまして、使用料、手数料の見直しに努めてまいりたいと考えております。  それから市区町村への財政支援についてご言及がございました。  財政健全化計画におきましては、地方分権を推進する観点からの都と区市町村との役割分担の明確化や、区市町村の自主性、自立性の向上などの視点に立って、区市町村への財政支援の見直しを実施することといたしております。  今後、こうした点につきましてさらに検討を進め、各種補助金等の見直しを行ってまいりたいと考えております。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁をさせていただきます。  以上でございます。    〔教育長市川正君登壇〕 ◯教育長(市川正君) 都立高校の運営費等についてのお尋ねですが、まず、運営費につきましては、一層の効率化を図るとともに、円滑な学校運営が図れるよう、今後とも努力してまいります。  次に、統廃合につきましては、少子化による生徒の減少が見込まれます中で、統廃合を含む都立高校の規模と配置の適正化を推進すべきものと考えており、現在、検討を進めております。  また、学級定員につきましては、国の改善計画より早く、平成八年度に四十人学級を完成したところでございます。  今後の学級定員の改善につきましては、国や他の道府県の動向及び都立高校長期構想懇談会の答申などを踏まえながら、検討してまいります。    〔労働経済局長坂庭敏弘君登壇〕 ◯労働経済局長(坂庭敏弘君) 制度融資の見直しについてのお尋ねにお答えいたします。  都は、これまでも、中小企業の経営の安定を図るため、資金需要や景気の動向などを踏まえ、必要な融資制度を構築してまいりました。  また、その中で、物的担保や保証人の提供が困難な企業などに対しましては、無担保や無保証人の融資制度を設けまして、その限度額についても、国の制度改正に合わせて適切に引き上げてまいりました。  制度融資の見直しに当たっては、中小企業の資金需要を的確に把握いたしまして、それにふさわしい制度を構築することにより、真に中小企業に役立つ融資制度となるよう努めてまいります。    〔水道局長川北和徳君登壇〕 ◯水道局長(川北和徳君) 水道料金についてのお尋ねでございますが、水道事業の最大の使命は安定給水の確保でありますが、この使命を永続的に達成していくためには、その財源である水道料金について、適時適切に見直しを行っていく必要があると考えております。  損益収支における剰余につきましては、企業債償還金等の財源として資本的支出の不足分に充当しており、健全な財政運営に不可欠なものでございます。  現行の水道料金は、平成六年に策定した水道事業中期計画に基づき算定しているところですが、この計画が終了する平成十年度以降の料金の取り扱いにつきましては、今後の財政状況などを勘案し、諸情勢の推移を見きわめつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。    〔下水道局長藤田忠久君登壇〕 ◯下水道局長(藤田忠久君) 下水道料金についてのお尋ねでございますが、下水道事業会計は、維持管理費や料金収入等を計上する収益的収支と、建設投資、企業債償還金等を計上する資本的収支をあわせて経理いたしております。  収益的収支における利益は、地方公営企業法に基づきまして減債積立金に積み立て、企業債償還金の財源に充てているところでございます。  下水道事業は、水循環における重要な役割を担っており、その役割を果たすためにも、財政基盤を確立することが必要だと考えております。  都の下水道事業は、現財政計画の最終年度を迎え、厳しい財政状況にございます。平成十年度以降の下水道料金の見直しにつきましては、今後の財政収支や諸情勢の推移を総合的に勘案して、適切に対処してまいります。      ─────────────
    ◯議長(熊本哲之君) 二十八番長尾彰久君。    〔二十八番長尾彰久君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◯二十八番(長尾彰久君) 都議会東京民社を代表して質問をいたします。  私は、私が在任させていただきました今都議会の構成も、また、青島知事の誕生も、二十一世紀に向かって行政の新たなる道筋を求める時代の要請の結果であると思っております。  生活都市東京構想に示されたように、日本は今や成熟社会段階に達しており、今後、長期的に右肩下がりの時代が続くと思われております。行政サイドもこの認識があることを、是とするところであります。しかし、現行の行政改革大綱を見ますと、時代のニーズに即応する大胆な構造的改革への具体的方策は示されておりません。  改革の具体策を挙げれば、多摩都市整備本部のあり方が現在のままでよいのかどうか、さらに、普及概成一〇〇%が達成された上下水道、また、国際交流から都市外交へ、また、イベントの見直しが必要な生活文化局、循環型社会づくりを具体的に実施し、また、清掃事業の区移管を前提とするならば、清掃局と環境保全局の統合なども視野に入れるべきであります。  こうした抜本的な局単位での見直しのほかに、都庁組織全般の改革も考える時期に来ていると思います。現在の都の行政機構は、知事、局長、部長、課長と四層構造になっております。これには意思決定に時間がかかり、余計な人員を要する構造になっていることは確かであります。現場の意見や住民の意見がトップに直に届きやすいショートカット化を考えるべきだと思います。将来とも活力ある東京であり続けるために、これらは避けて通れない道でございます。  非常に総花的に申し上げましたが、行財政改革に真剣に取り組むならば、従来の機構や構造にとらわれていては、改革は遅々として進まないと思います。大胆なる構造改革の端緒を開く、私は、これが青島知事、あなたが知事に選ばれた時代的意義だと思います。  次に、循環型社会づくりについてお伺いします。  循環型社会づくりは、私自身が、一昨年、平成七年の九月十九日、この本会議場において資源循環型社会の構築を提言いたしました。ここに速記録がございますので、ちょっと読ませてもらいます。「現状のままでは、ごみはふえ続けるだけでございます。大量生産、大量消費、大量廃棄、このメカニズムをつくり変えない限り、いかに巨大な処分場をつくっても、ごみの問題は解決いたしません。そこで提案なのですが、都民一人一人の生活スタイルの変換、社会資本開発の見直し、そして、資源循環型社会システム構築への研究を進め、その成果を早急に都民に明示すべき、こう考えます。知事の所見を伺いたいと思います。」  今回、施政方針演説の中で、都知事が、全力を挙げてこれに取り組むと、私の提言を取り上げていただき、都の政策に関与することができた。私は議員冥利でいっぱいでございます。  さて、加速度的に増幅してきた豊かさと利便性への要求に無原則にこたえていけば、東京の都市機能の破綻どころか、地球規模での危機が訪れてくることは十分予測されます。そうした視点に立ったときに、庁内に循環型社会づくり推進本部を設置したことは、時宜を得たものと評価したいと思います。  私は、資源の節約やリサイクルだけでは、循環型社会の実現は難しいと考えております。現代社会の発展は、欲望を満足させる、この力学の上にありました。循環型社会づくりは、それにストップをかけ、必要以上の豊かさ、必要以上の利便性を求めない、いわば生活哲学を定着させることでございます。マクロ的立場に立って、生き方の問題まで踏み込み、知事が先頭になって、都民意識の精神的土壌をつくりかえる、これが大変大事だと思います。知事自身の日常生活も考えながら、お答え願いたいと思います。  失礼を承知で申し上げますが、青島知事が議会制民主主義の遵守を掲げながら、百対二十三の議会決定を覆し、世界都市博を中止した、私はこれは蛮勇だったと思います。しかし、そのことによって都庁内に微妙な変化を生じたことも事実であります。蛮勇も、振るいようによっては高い評価につながる蛮勇もあります。行政のプロではない、そしてその機構に浸り切っていない、さきに申し上げました行政改革も資源循環型社会づくりについても、青島知事、あなたにしかできない蛮勇を行使すれば、ドラスチックに前進ができると思います。決意のほどをぜひお聞かせください。  さて、私は、二十一世紀に向け、東京が、バランスある都市として今後とも着実なる前進を図るためには、臨海副都心を中心とした区部の活性化、それと同時に、多摩地域の産業振興が欠かせない要件の一つと考えております。その立場から、五月二十一日に新聞紙上で報じられました東京の活力ある産業を考える懇談会の最終提言、これを我が意を得た思いで受けとめました。  記事の内容についてはご案内だと思います。細かくは申し上げませんが、ハイテク企業が多く立地する多摩地域で、拠点となる多摩地域中小企業振興センターの開設を提言しております。東京経済の活性化は、一に中小企業の振興にかかっております。そのための支援策の強化を、機会あるごとに私たちは提言してまいりました。その提言を真摯に受けとめ、都は城東、城南にそれぞれ中小企業振興センターを設けました。さらに、多摩地域中小企業振興センターを開設されれば、自立経済圏としての活性化に取り組んでいる多摩地域振興に大いに貢献することとなります。知事の所見を伺います。  最後に、新たなる政治目標に向かい、都政から旅立とうとする私に、この質問の機会を与えてくださった会派の皆様に深く感謝を申し上げ、また、十五期、十六期と、議会制民主主義が続く限り存続するであろう本都議会及び都政の健全なる発展を祈念いたしまして、私の東京都議会における最後の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    〔知事青島幸男君登壇〕 ◯知事(青島幸男君) 長尾彰久議員のご質問にお答え申し上げます。  まず、組織改革や意思決定の迅速化などに取り組む決意についてというお話でございました。  都は、これまでも、行政需要の多様化、高度化等に伴いまして機構の細分化が生じることのないように、組織規模の適正化、あるいは権限の移譲に努めてきたところでございます。  今後とも、ご指摘の趣旨も踏まえつつ、意思決定の迅速化を進めてまいりますとともに、現状にとらわれることなく、時代の変化を的確に反映した簡素で効率的な組織再編に全力を挙げて常に取り組んでいかなければならないと、肝に銘じているところでございます。  次に、循環型社会実現のための考え方と決意についてご言及がございました。  ただいまお話にありましたように、この議場で、かつて長尾議員から、循環型の社会づくりに進むべきだというご示唆に富んだご提言があったことをはっきりと記憶いたしております。確かに示唆に富んだご提言であったと思います。  循環型社会づくりの実現は、おっしゃられるとおり、これまでの社会システムやライフスタイルの転換を意味するものでございまして、そのためには、都がこれまで行ってきたものの枠にとらわれず、柔軟な発想に基づく施策を、可能なものから全庁を挙げて実施していくことが必要であるということは、お説のとおりでございまして、そのとおり私も実行してまいりたいと考えているところでございます。  また、一方で、多くの都民や事業者が循環型社会づくりをみずからの問題としてとらえ、例えば雨水をためて洗車に使うとか、物を購入するときになるべく環境に影響がないようなものを選ぶというような、新しい生活様式を取り入れてくることが肝要であろうと思っておりますし、その意味で、ご協力やご理解を得ていかなければならないと思っております。  今後は、東京ごみ会議など、都民、事業者とのパートナーシップに基づき運営される各種会議の活動などを一層活発化させてまいりますとともに、おっしゃられるように、私自身が先頭に立って、都民に積極的に呼びかけていくような行動を起こさなければ、一大都民運動として発展していくことは望めないというふうに考えまして、新たに決心をしているところでございます。  それから、多摩地域中小企業振興センターについてご言及がございました。  多摩地域には、エレクトロニクスを中心とする先端技術産業の集積とか、あるいはあの地域特有の大学、研究機関などが立地しておりまして、特色ある物づくりや広域的な生産ネットワークの形成などに大きな力を持っていることは、私も承知をいたしております。  このような多摩地域の特性を生かしまして、地域中小企業の経営の安定及び技術力の向上を図ってまいりますための総合的な振興拠点であります地域中小企業振興センターを設置してまいりますことは、お話の自立経済圏としての活性化に取り組んでいる多摩地域の振興に大いに役立つものであると、私も考えております。  現在、センターの設置につきましては、生活都市東京構想の中に位置づけまして検討を進めているところでございますが、今後は、開設に向けまして最大限努力を重ねてまいりたいということをお誓い申し上げまして、答弁とさせていただきます。  ありがとうございました。  以上でございます。      ───────────── ◯副議長(桜井良之助君) 九十九番田中良君。    〔九十九番田中良君登壇〕 ◯九十九番(田中良君) 私は、都議会刷新クラブを代表して、また第十四期選出議員として、任期最後の質問をいたします。知事の誠意あるご答弁を期待して、質問に入ります。  まず、任期半ばの折り返し点を迎えた青島知事に対して、二点申し上げておきます。  一つは、あなたは、あなたの背後にいる補助機関たる都政官僚に選ばれたのではなく、都民の選挙によって選ばれたのであります。しかし、これまでの質疑に対する知事の答弁内容は、いつも、事務方が用意した原稿をただただ棒読みするだけの域を出ず、官僚主導を通り越して、官僚依存の印象をぬぐえません。  鈴木都政から石原都政への後継を、官僚都政打破を掲げた青島さんに断ち切らせた都民の歴史的判断に対して、ご自身がみずからの積極的な役割について何を感じ、どう実践していくかが大切なのであります。つまり、都政の政策形成や意思決定に際して、一体あなたがどのように影響を与えてきたのか、それが都民に見えない限りにおいては、幾ら開かれた都政、隠し事のない都政とのたもうてみても、真の意味で都政が都民に開かれたものには決してならないということです。  知事は、既に就任してから二年を経過しました。これまでは、都庁という巨大な組織の中で、掌握すべきことの多さに戸惑いがあったといういいわけがきいたかもしれません。しかし、任期半ばを過ぎた今、そんなことはもはや通用いたしません。  都民が二年前の選挙のときに青島さんに期待したこと、それは、選挙で選ばれし者が、肥大化した行政をいかに統治していくかであり、そのことに対してどのようにこたえていこうとするのか、政治家青島の言葉でお答えください。  もう一つは、東京都知事のいすの政治的立場についての認識です。  東京都の知事のいすに座る人に特に求められていることは、国との関係をいかに論ずるかであり、そのことについていかなる政治哲学、行動理念を持っているかということであります。地方分権が叫ばれている今日、例えばコスモ信組処理に見られたような、国に対してただ物わかりのよい対応では困るのであります。保革の対立が終わり、革新自治体が退潮していく中で、国に対して下から突き上げていくエネルギーがそぎ取られてしまってはいけません。食糧費やリサイクルももちろん重要ですが、もう一つ高い次元に立って、全国自治体のリーダーとして、地方主権の獲得へ向けて、みずからに何を課すかという政治的哲学を示していただきたいと思います。知事の決意のほどをお聞かせいただきたいと存じます。  次に、以上申し上げたことに関連して、三点お尋ねします。  さきに政策ブレーンとして磯部都立大教授など三名の方が参与に就任されたと聞いておりますが、その人選の基準と招聘のねらいについてお答えいただきたいと思います。  ただし、それぞれの分野で豊かな経験と知識をお持ちだからという役人答弁は期待していません。それぞれの分野で活躍されているさまざまな意見をお持ちの方は数多くいらっしゃるわけで、その中で特にそのお三方を招聘したのは何ゆえかについて、わかりやすくお答えいただきたいと思います。その答弁を通じて、あなたが一体その方々に何を求め、今後の都政で何を目指していくのかが我々に理解できるお答えを希望いたします。  さて、知事がリーダーシップ強化を目的として外部ブレーンを活用していこうとすることは、一つの手法として理解できますが、知事の理念、政策を具体的に実現するための機能強化という意味では、その方々は非常勤であり、また、議会との意見交換も日常的には無理であります。  むしろ、条例で二人の枠がある特別秘書を有効活用することをもっと考えるべきではないかと思うわけであります。現在一人が空席となっていますが、それはなぜですか。知事には、うわさどおり、家族以外にブレーンはいないのですか。知事のお考えをお聞かせください。  次に、地方分権問題についてお聞きいたします。  昨年十二月の地方分権推進委員会第一次勧告は、機関委任事務制度の廃止など、国と地方自治体の新たな関係を確立するための抜本的な改革を目指したものとして、基本的には評価をされております。また、第二次勧告については、七月にもその指針が示されようとしております。  私が今さら申し上げるまでもなく、戦後五十年を経過した今、国による画一的統治形態の打破、地方自治体の自己決定権の拡充などによる地方主権の確立は、正念場を迎えているのであります。しかし、中央省庁は依然として頑迷な態度をとり続けていると聞いています。  地方分権の推進は、国に任せるものではなく、地方自治体がみずからの手で積極的にかち取るものでなければなりません。特に、首都東京の首長としての青島知事は、地方自治体の先頭に立ってリーダーシップを発揮し、地方主権の確立のための運動を強力に展開していかなければならないと考えます。  そこで、お伺いしますが、マスコミ報道では、自治大臣の非常に厳しい感触が伝えられておりますけれども、都はどのように感じているのか、また、七月の第二次勧告では、特にどのような項目について注目をしているのか、そして、もし地方自治体の意向から後退していた場合には、どのような取り組みを今後なされるおつもりか、知事の所見をお伺いいたしたいと存じます。  まだ時間は残されて、再質問もしたいところですが、機会を得られれば、第三定以降に引き続きさせていただきたいというふうに思います。どうか誠意あるご答弁をよろしくお願いをいたします。  どうもありがとうございました。(拍手)    〔知事青島幸男君登壇〕 ◯知事(青島幸男君) 田中良議員のご質問にお答え申し上げます。  相変わらず手厳しいご指摘でございまして、痛み入る次第でございますが、私は、知事就任のときからも、今までも、私の信念としては少しも変わっていないとみずからは思っているところでございまして、選挙のときに都民にお約束申し上げましたことにつきましては、一つ一つ着実に誠心誠意報いてきたつもりでおりますし、また、官僚答弁になるということは、こういう公式の席でございますので、時間の制限もございますし、また、速記録として記事が残るわけでございますので、誤りなきを期すということをまず第一にいたしております。  それから、もう一つは、皆様方のご質問の趣旨を正確に把握し、ご了解いただけるような答弁をつくるということで、庁内で事実関係を確認いたしましたり、あるいは、最近では大変に風通しもよくなりまして、副知事初め局長あるいは部長、課長の方々に至るまで積極的に議論に参加をしてくださっておりますし、一々の施策についてさまざまな議論を交わし、ご質問者に正確にお答え申し上げられますように、書類にし、書面にして検討をし、推敲を重ねて、それを参考資料としてご質問にお答えするというような状況になっておりますので、私が事務方がつくりました文章をただ機械的に読み上げているだけだというご認識は、改めていただきたいと思います。  私は、今後とも、こういうふうに、みずからの言葉でわかりやすく、平易な表現で皆様方に、あるいは都民の方々にお話し申し上げようと思っていることは事実でございます。しかし、こうした公式の席におきましては、先ほど申し上げましたように、誤りなきを期すということをまず第一にしておりますので、ご了解いただきたいと思います。  さて、地方自治に対する姿勢についてのご言及がございました。  私は、個性豊かな地域社会をつくりますため、地域のことは地域で決めるという地方分権の実現を急ぐ必要があるというふうに常々考えております。  こうした考えから、私は、環境保全やまちづくりなどの分野で、必要なときには、国に憶することなく、都独特の施策を積極的に展開していくべきだと、また、国の施策が都民の利益にそぐわないというような場合には、率直に意見を申し上げ、強硬に分権の立場をしっかりと持って立ち向かっていく勇気が必要であるというふうに考えているところでございます。  その他のご質問につきましては逐次答弁を申し上げますが、参与についてお尋ねがございました。  現在、都は、社会経済状況が大変大きく変化する中にありまして、地方分権の実現、循環型社会づくりの推進、少子・高齢化への対応などさまざまな課題が山積をいたしておりまして、こうした都政の課題につきまして、私は、都庁の外から、庁内とはまた違った考え方で助言などをいただきたいということで、参与の方に参加していただくことを求めたわけでございますが、それぞれ見識を持ち、それぞれの分野で豊かなご高察をお持ちだということでは官僚答弁で納得できないというお話のようでございますが、お三方のご著書を拝見し、また討論会、講演会などでのお話などを伺っておりまして、この方々にお願いすることが正しかろうというふうな判断をいたしまして、お願いをしたわけでございます。  それから、もう一つ、特別秘書の増員についてお話がございました。  都政について私の理念や政策を実現してまいりますためには、副知事以下、職員の方々はもとより、参与の先生方を初め、広く外部の方々の協力を得ていくことが正しかろうと思っております。  ご指摘のありました特別秘書の役割につきましては、私も十分認識しているところでございますが、その増員につきましては、適任者の有無なども含めまして、諸状況を総合的に勘案して判断をしてまいりたいと考えているところでございます。  それから、地方分権についてまたご言及がございまして、地方分権推進委員会の第一次勧告では、機関委任事務制度の廃止などが打ち出されております。第二次勧告では、地方分権推進のかなめでございます地方税財政制度改革や必置規制の見直しなど、地方行政体制の整備が大きな課題であると認識をいたしております。  地方六団体やマスコミを通じまして得ました情報によりますと、地方分権推進委員会の検討状況は、中央省庁の厚い壁がありまして、お説のようになかなか厳しい状況だと承っております。  また、地方自治体の先頭に立って分権に取り組むべきというご指摘もございましたが、今回、都から区市町村への分権のあり方検討委員会答申は、まさにこうした思いから、国の第二次勧告に先立って、全国の自治体の立場で新しい提言を数々いただいたものでございまして、この答申を受けまして、国の地方分権推進委員会、関係省庁へ積極的に働きかけてまいりたい、かように存じておる次第でございます。  以上でございます。      ───────────── ◯副議長(桜井良之助君) 百二十三番田端清君。    〔百二十三番田端清君登壇〕 ◯百二十三番(田端清君) 私は、都議会新進党を代表して質問を行います。  初めに、知事の基本政策について伺います。  青島知事となりまして二年が経過いたしました。知事となられてからの間、社会の低迷はいまだはっきりとした未来像を映し出してはおりません。そこで、これからの二年間に知事が最も推進しようとするものは何か、また、今回の都議会議員選挙における最大の争点は何だとみずから考えているのか、そして、何を一番都民に判断してもらいたいのか、伺います。  次に、景気について伺います。  四月に消費税が引き上げられ、国民の願いでもあった減税の要求も政府には届かず、保険料負担や公共料金は高くなり、史上最低の金利は、今、本当に真の生活者の生活を苦しめています。アナウンス効果を求めるように、政府発表の経済指標は、上昇と異口同音にいっておりますが、実態はそんなに甘いものではありません。  知事は、今の景気の現状をどうとらえ、都民生活の実態をどう理解されているのか、また、ただ投資的経費を削減するだけでなく、公共工事のコストを縮減することで事業量を確保する努力をするなど、景気刺激策をとる必要があるのではないかと思いますが、あわせて見解を伺います。  次に、行財政改革について伺います。  膠着化した財政構造や肥大化を続ける官僚機構の改革は、次の時代への明確なビジョンのもとに行われなければなりません。そして、その基本は、知恵と工夫により、サービスを低下させることなく、生産性の高い行政を実現することによって、財政再建をなし遂げるべきでありましょう。財政健全化計画も、そういった面で、単なる歳出カットを目指すものにならないよう、しっかりと組み立てるべきであると考えますが、ご見解を伺います。  次に、循環型社会の構築について伺います。  都市としての東京が成熟していくために、人間のあらゆる営みについての洞察と、都市生活者の享受すべき権利とアメニティー、さらにはその義務と次世代への責務を明確にして、東京という都市のアイデンティティーをしっかりと位置づけることのできる目標設定も必要かと思いますが、知事のご所見を伺います。  先般、東京都循環型社会づくり推進本部を設置し、知事みずから本部長となられましたが、ごみの問題だけでなく、水の循環や交通需要の管理、エネルギーの効率活用、ライフスタイルの転換、消費者意識高揚、子供の環境教育に至るまで、拡大した対象を持っているようで、視点としてはとても大切だと思います。  しかし、実際問題、何から手をつけられるのか、都や他県との関係でより広域的にやらなければならないこともあるのではないかなど、いろいろと整理して議論する必要があります。知事のご所見を伺います。  また、特にごみ問題についてですが、今後は、環境への負荷の少ない循環型社会経済システムの確立が必要であります。清掃行政のあり方は、循環型の施設建設など、従来の枠を超えた取り組みを行うべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。  次に、少子化と家庭支援について伺います。  急激な高齢化社会への進展は、少子化によってもその速度を速められています。働く若年層や女性のため、そしてファミリー世代のためにも、公共住宅の充実や経済的支援、働く人の育児休業制度の充実に向けて努力すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  最後に、今定例会に提出されております、いわゆるテレクラとデートクラブの営業規制条例については、これまで我が会派が青少年の健全育成を常に先頭に立って訴えてきたものであり、賛意を表するものであります。  今後とも、我が都議会新進党は、たゆまざる改革を推進し、議会の情報公開制度を確立し、都民と都政が身近になるように努め、安心して暮らせるまちづくりに邁進いたします。その中で、ご負託いただいている都民や、そして未来の世代の皆様に対しても、責任ある政治を実現させていくことをお誓い申し上げまして、私の代表質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    〔知事青島幸男君登壇〕 ◯知事(青島幸男君) 田端清議員のご質問にお答え申し上げます。  都政の課題と都議会議員選挙について、まずご言及がございました。  私は、生活都市東京を創造し、これを次の世代に引き継いでまいりますことができますように、高齢社会の対応とか、あるいは防災まちづくりなどの課題に加えまして、任期後半の二年間、とりわけ循環型社会づくりに全力を尽くしてまいりたいと、かように考えているところでございます。
     都議会議員選挙におきましては、この課題を初め、都政におけるさまざまな問題をめぐりまして活発な議論が行われ、都民の皆さんに都政の進路について確かな判断を示していただくことができればと期待をしているところでございます。  景気状況や都民生活の実態をどう考えているのかというご言及がございました。  いつもいわれておりますことですが、景気は緩やかなテンポながら回復を続けているということですが、都民の暮らし向きについて、世論調査などを見ましても、都民の多くは景気回復を余り実感できないというような結果が出ているようでございます。  財政健全化計画の目標達成に向けましては、投資的経費をなお一層削減する必要がございますが、同時に、ご指摘のように、公共事業のコスト縮減を図ることなどによりまして、事業の効果を最大限高めてまいります努力を行っていく必要があると考えております。  それから、財政健全化への取り組みについてもご言及がございました。  都財政の健全化は、二十一世紀に向けて、都民のための新たな施策を展開してまいります上で、何としても達成しなければならない課題でございます。そのためには、都が行っておりますすべての施策を根本から見直していかなければなりませんが、これは、歳出の削減自体を目的とするものではございません。見直しを通じて、新しい時代の要請にこたえられる都政改革を実現することが真の目的でございます。  今後とも、こうした立場に立って、議会の皆様方のご理解とご協力を得ながら、全力を挙げて都財政の健全化に取り組んでまいりたいと決意しているところでございます。  東京の都市としてのアイデンティティーと目標についてご言及がございました。  生活都市東京構想では、東京が成熟社会を迎えようとしている中で、生活者の視点の重視、将来世代への責任といった基本的理念を掲げ、限りある地球環境を大切にしながら、生活の質的な充実や地域の個性を重視し、諸機能のバランスのとれた都市づくりを進めていくことが肝要だと考えているところでございまして、その中でも、再度申し上げております資源循環型の社会の形成は、東京が目指してまいります目標の重大な一つであると実感をしておるところでございまして、これを実現することによりまして、人々が暮らしやすく、住み続けることができる活力に満ちた都市の姿を世界に発信してまいりたいと考えているところでございます。  循環型社会づくりの進め方についてご言及がございまして、都は既に、循環型社会づくり推進本部におきまして、古紙利用拡大緊急プランとか、あるいは都庁エコ・アップ計画などの取り組みを決定したところでございまして、今後も、引き続き多くの都民や事業者の方々と連携を強化し、パートナーシップを結んで、都としても率先して行動を起こしてまいりたいと考えているところでございます。  また、お話のように、循環型社会づくりには、さまざまな角度から広範な取り組みを進めることが不可欠でございまして、今後、私自身が先頭に立って、国や他府県とも連携を深め、循環型社会のトータルとして、総合的、国民的な規模で実現が可能なように、微力ながら尽くしてまいりたいと考えているところでございます。  従来の清掃行政の枠を超えた取り組みを行うべきだというご提言もございました。  五月六日の清掃審議会におきまして、ご指摘の循環型社会経済システムの確立など、循環型社会実現のための基本的な考え方について、中間答申を受けたところでございます。  その具体的な方策につきましては、現在、最終答申に向けて審議をいただいているところでございます。都といたしましては、今月末に予定されております最終答申を踏まえまして、都民、事業者、行政のパートナーシップを基本に据えまして、循環型ごみ処理システムの構築を初め、新たな清掃行政を展開してまいりたいと、かように考えているところでございます。  それから、少子化と家庭支援についてのご言及がございました。  我が国では少子化が急速に進行し、とりわけ都におきましては、全国を上回る速さで進んでおるようでございまして、少子社会に対する対策は、社会全体で取り組むべき重要な課題であると認識しているところでございます。  そこで、本年四月、少子社会対策を高齢社会対策と一緒に総合的、一体的に展開するために、私を委員長といたします少子高齢社会対策推進会議を設置いたしますとともに、東京を、きらきら輝く子供たちが育ちゆくまちを念願といたします、子どもが輝くまち東京プランを策定いたしました。  また、少子社会対策は国家的対応が不可欠でございますことから、育児休業制度の充実とか、子育てしやすい、住みやすい環境の確保などについて、国に対しても緊急提言あるいは要請を行ってまいりました。  今後とも、東京プランを着実に推進するなど、少子社会対策にも積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございますので、よろしくご理解、ご協力のほどを申し上げる次第でございます。  以上でございます。      ───────────── ◯副議長(桜井良之助君) 五十六番池田敦子さん。    〔五十六番池田敦子君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯五十六番(池田敦子君) 私は、この十年余りを振り返って、都政の大きな変化を感じます。東京都の施策の中心は、世界都市東京から生活都市へとシフトし、高度経済成長を引っ張るために走り続けてきた大都市のひずみ、それは、本当の意味で豊かさをまだ手に入れていないことの見直しの中で、次の世代に渡すべきバトンの方向が示されたといえます。  これからの政策の中心課題は、発信の源が市民にあることを踏まえ、政策策定過程への市民参加と地域の市民活動や事業を応援し、連携することと考えます。生活都市東京構想の実現に向け、年内にもこの課題を計画化すべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、水循環について伺います。  環境基本計画は、東京が持続的に発展するための循環型都市構造を環境への配慮によってつくり出そうという意味では、画期的なことです。その中で、環境用水と同時に、飲料水まで視野に入れた水循環マスタープランの策定は、渇水が日常化する今日、早急に取りかかる必要があります。今回、改めて水の収支調査を行うことになりましたが、同時に土地利用の実態を把握する必要があります。また、土地利用の変化の激しい東京では、水収支は少なくても五年ごとに把握すべきではないでしょうか、伺います。  自然の水循環を回復させるには、土地利用のコントロールも必要となります。中小河川の水量を取り戻すために、最上流や河川沿いの土地などを点検し、涵養域の保全すべき緑地や空地を、例えば保全すべき涵養域(仮称)として指定することや、水循環を法令等で位置づけるなど、新しい施策を検討することも考えられます。  今後、水循環マスタープランの策定にどのように総合的な視点から対応されるのか、お伺いします。  また、総合的な水循環保全計画が策定されるとのことですが、従来の地下水保全ガイドラインと水辺環境保全計画は、もともと地域の固有な湧水復活や河川の水質の向上などの目標を持ったものであることから、総合することによって個別課題の解決が先延ばしにならないよう、目標達成の個別計画を盛り込むことが必要です。また、計画の中に、市民とのパートナーシップを位置づけるべきと考えますが、いかがでしょうか。  多摩川中流域の調布取水堰は、近年水質が改善され、平成四年からBOD七五%水質値を達成し、C類型はクリアしました。水道水としての利用を目標に掲げ、類型指定をCからBに改めるように国に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。  生活都市東京の水道システムを考える会報告や長期構想では、給水安全度の確保に基づき、これからの水道政策に改めて地下水の水源活用を取り上げています。  この際、地下水を水道水として飲み続けるために、その保全、確保に取りかかるべきです。お伺いいたします。  最後に、テレホンクラブなどの営業規制条例について伺います。  この条例の運用に当たり危惧されるのは、青少年への事情聴取などによる人権侵害の可能性です。条例では青少年の人権尊重をうたっていますし、子どもの権利条約第四十条の少年司法でも、その権利は明記されています。これらを踏まえ、子供自身や職員への周知など、子供の人権に配慮した運用のための具体的な方策について伺います。  この時代の子供を取り巻く課題の解決には、東京都に子供の人権基本条例の制定は欠かせないと私たちは考えています。この実現に向けて、都が動き出されることを期待して、私の最後の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔知事青島幸男君登壇〕 ◯知事(青島幸男君) 池田敦子議員のご質問にお答え申し上げます。  生活都市東京構想を実現するための市民活動などとの連携についてというお話でございました。  生活都市東京構想では、生活者を単にゆとりと豊かさを求めるだけでなく、都政に参画し、また提案するとともに、みずから行動する近代的な市民として理想的に描いておるところでございます。特に、地域福祉とか防災、循環型社会の形成、まちづくりの分野などにおきまして、市民活動と都政との良好なパートナーシップを形成していくことが大切だということをうたっております。  このため、年内に策定いたします予定の新しい計画につきましては、都政の意思決定プロセスを一層透明化、明確化いたしまして、情報の流れを双方向化するなど、都民と都政が情報を共有することによりまして、市民の参加と連携をますます深くしていきたいというふうに考えているところでございます。  その他のご質問につきましては、警視総監並びに関係局長から答弁させていただきます。    〔警視総監前田健治君登壇〕 ◯警視総監(前田健治君) いわゆるテレクラ条例について、子供の人権に配慮した運用に関するお尋ねでございました。  まず何よりも、本条例の制定により、これらの営業と青少年とのアクセスが遮断されますことから、女子少年の補導件数は減少するものと考えております。  また、当庁では、従来から、青少年への対応につきましては、非行少年のみならず、広く少年被害者等に対しても、青少年の特性についての知識とその応接技術にすぐれた経験豊かな婦人警察官、少年警察担当職員及び心理学的知識を有する少年相談専門職員の運用を図ることにより、少年の心情に配慮し、秘密の保持に努める等の具体的な方策を講じているところであります。  なお、不幸にして性犯罪の被害者となった方については、精神的な打撃の軽減や、その早期回復を図るため創設された性犯罪捜査員制度を活用いたしているところであります。    〔環境保全局長田中孝君登壇〕 ◯環境保全局長(田中孝君) 水問題に関する三点のご質問にお答えをいたします。  まず、水収支に関する調査についてのお尋ねでございますが、河川等の水環境の保全、回復を一層推進するため、水環境保全計画を策定するとともに、水循環マスタープランを策定する予定でございます。  これらの策定に当たりましては、土地の被覆率など、土地利用状況を把握した上で、雨水の地下浸透など水収支状況を調査し、より実態を反映したものとしてまいりたいと考えております。  また、その後の水収支に関する調査につきましては、土地利用状況の変化も勘案しながら、検討してまいる予定でございます。  次に、水環境保全計画の策定についてのお尋ねでございますが、新たに策定する水環境保全計画におきましては、水質の保全や水量の確保などの分野別の施策にあわせ、水域別の目標や施策についても明らかにすることとしております。  また、水環境の保全の取り組みに当たりましては、都民や民間団体、事業者の皆様の取り組みも大変重要でございますので、行政との協働の仕組みづくりについても十分検討してまいる予定でございます。  現在、学識経験者等で構成する検討委員会を設置したところであり、実効ある計画の策定に向け、鋭意努力してまいります。  最後に、多摩川中流域の環境基準の類型指定についてのお尋ねでございますが、多摩川は、東京における重要かつ代表的な河川であり、都民の方々や関係区市町村等との協力のもとに、水環境の改善に努めてきた結果、水質が改善されてきている状況にございます。  多摩川中流域の環境基準につきましては、今後の水質の状況等をも踏まえ、より上位の類型指定に向けて、国と十分協議をしてまいる予定でございます。    〔都市計画局長木宮進君登壇〕 ◯都市計画局長(木宮進君) 水循環マスタープランについてのお尋ねにお答え申し上げます。  水循環マスタープランにつきましては、生活都市東京構想に基づき策定することになっておりますが、循環型社会づくり推進本部の部門会議として、関係局から成ります水循環マスタープラン検討委員会を設置し、横断的に検討を行ってまいりたいと考えております。  このマスタープランでは、これまで水資源の確保、安定した給水、下水の高度処理、親水河川、また水の循環利用、雨水の地下浸透、農地や森林の保全など、水に関する各分野で個別に進められてきた施策を体系的、効率的に推進するため、水循環のあるべき姿を示し、そこに至るまでの新たな施策を含めた総合的な施策の方向を明らかにしたいと考えております。    〔水道局長川北和徳君登壇〕 ◯水道局長(川北和徳君) 地下水の活用についてのお尋ねでございますが、地下水は、平常時はもとより、渇水時や震災時等においても、身近に利用できる貴重な水源であることから、既存井戸施設の維持、保全に努めてきたところでございます。  地下水の利用につきましては、地盤沈下が生じないよう十分配慮するとともに、地下水位や水質の動向を見ながら、今後給水安全度向上の観点から、その一層の活用について関係機関と調整を図り、検討してまいります。      ───────────── ◯議長(熊本哲之君) 三十四番青木なち子さん。    〔三十四番青木なち子君登壇〕 ◯三十四番(青木なち子君) 知事は幸せな老後についてどのようにお考えか、伺います。  今、国会で介護保険法案が審議されていますが、保険あって介護なしという心配があります。政府は、三年後のサービス開始時の在宅福祉整備率は四〇%といっています。都の現計画の整備予測を伺います。早急に計画を見直し、一層の在宅福祉を充実させる早急な取り組みを求めます。  また、この介護保険法案が実施されると、これまでのサービス水準が低くなるおそれがあります。特別養護老人ホームの低所得の入所者は現在無料です。一割負担となれば、五万円もの負担が生じます。また、入所している方が要介護認定から外されると追い出されます。これらの問題に都はどのように対応するのか、伺います。  また、介護力強化型病院が療養型病床群と変わり、介護保険法適用となると多額の負担となります。だからこそ老人福祉手当は一層必要なものとなり、廃止すべきではないと考えますが、見解を伺います。  また、現在の一万四千人の患者のうち、五千人が在宅介護となります。この対応を伺います。  介護保険の提供するサービスは、在宅十二種類、施設三種類に限られます。保険で提供する十二種類以外のサービスは現在どれだけありますか。例えば、給食サービスなど、保険対象外はすべて自己負担となるのでしょうか。  都は、これらサービスを提供する区市町村や市民自主事業を一層応援し、サービス充実を図る必要があります。答弁ください。  知事は、介護保険法案の不備と問題点の解消のため、今まで国にどのように働きかけてきたのか、答弁ください。一層積極的に国に働きかけるべきです。三年後の高齢福祉事業の整備目標をこの場で約束していただき、都民の安心の老後の実現に向けての決意を伺って、東京市民21の質問を終わります。(拍手)    〔知事青島幸男君登壇〕 ◯知事(青島幸男君) 青木なち子議員のご質問にお答え申し上げます。  まず、幸せな老後についてどう考えるかというお尋ねでございました。  すべての人々が、高齢になりましても健康を保持し、家族や社会との触れ合いの中で、人間としての尊厳を失うことなく、充実した生活を送ることが老後の幸せだと考えております。  たとえ介護が必要なような状態になりましても、住みなれた地域で身近な人とかかわりを持ちながら、必要なときに必要な保健、医療、福祉のサービスを利用しながら、安心して寿命を全うできるというような社会を築いていかなければならないと考えております。  このため、高齢者施策部門を統合いたしました高齢者施策推進室を七月に設置することといたしまして、今後介護保険制度も視野に置きながら、地域福祉推進の主体であります区市町村と連携をいたしまして、すべての高齢者が安心して暮らせる社会の実現に全力を挙げてまいりたいと考えているところでございます。  また、国への対応をどうするのかというご質問があわせてございました。  現在国会で審議中の介護保険法案では、地方公共団体の財政負担のあり方とか、あるいは地域特性に応じた介護サービス水準の確保など、多くの課題がございまして、これらの課題解決のために、全国知事会などとも連携しながら、あらゆる機会を通じまして、国に対して働きかけてきました。  今後とも、都議会の皆さん方とも連携し、区市町村や関係団体とも協力をいたしまして、引き続き積極的に働きかけを続けてまいりたいと、かように思っているところでございます。  その他のご質問につきましては、関係局長から答弁させていただきます。    〔福祉局長石川雅巳君登壇〕 ◯福祉局長(石川雅巳君) 介護保険に関します六つの質問にお答え申し上げます。  まず、都の計画でございますが、都は、平成十二年度までに特別養護老人ホームを二万八千六百人分、ホームヘルパーを二万八千人確保いたすことにしておりまして、国の計画を上回る介護基盤整備に努めているところでございます。  また、介護保険制度によって実現されますサービス内容や、そのための整備目標と財政計画を早急に示しますよう、国に働きかけているところでございます。  東京都といたしましては、国の動向を踏まえまして、計画的に介護基盤の整備に努めてまいります。  次に、特別養護老人ホームの入所者でございますが、法案等によれば、要介護認定にかかわらず、施行後五年間は引き続き入所ができ、利用料は、負担能力に応じた減免措置を講ずることとされておりますが、その内容は明らかになっておりません。  三点目の老人福祉手当でございますが、今後、介護保険制度も視野に入れて、そのあり方を総合的に十分検討していく必要があると考えております。  四点目の在宅介護となります入院患者については、施設サービスと在宅サービスを一体的に整備することにより対応してまいります。  五点目でございますが、現在区市町村において、地域の実情に応じていろいろ多様な在宅サービスをしていることが、法案では対応できるのかということでございますが、法案によれば、そうしたサービスも区市町村独自の判断で実施できることになっておりますが、利用料等は明らかになっておりません。  最後に、サービス内容の充実でございますが、介護保険制度で提供されますサービスを充実するためには、第二号保険料を都道府県でプールし、東京都の実態を十分反映した制度運営ができるようにする必要があり、国に要望しているところでございます。 ◯議長(熊本哲之君) 以上をもって質問は終わりました。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(熊本哲之君) これより日程に入ります。
     日程第一から第二十七まで、第百二十二号議案、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例外議案二十四件、専決二件を一括議題といたします。  本案に関し、提案理由の説明を求めます。  副知事植野正明君。    〔副知事植野正明君登壇〕 ◯副知事(植野正明君) ただいま上程になりました第百二十二号議案外二十四議案及び専決についてご説明申し上げます。  まず、第百二十二号議案から第百三十四号議案までの十三議案は条例案でございまして、新設の条例が一件、一部を改正する条例が十二件となっております。  新設条例の第百三十一号議案、東京都テレホンクラブ等営業及びデートクラブ営業の規制に関する条例について申し上げます。  これは、青少年の健全な育成を阻害する行為の防止と清浄な風俗環境を保持することを目的として、営業の届け出制、営業所設置禁止区域の設定、広告及び宣伝の規制などを行うものでございます。  次に、一部を改正する条例でございますが、第百二十四号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例は、地方税法の改正に伴い、特別地方消費税の廃止などを行うものでございます。  また、第百二十六号議案、社会福祉協議会の行う事業の補助に関する条例の一部を改正する条例など、福祉資金の貸付限度額を引き上げるものでございます。  そのほか、高齢者施策の執行体制の整備に伴い、現在、養育院所管の施設である千葉福祉ホームを福祉局に所管変更するため、関係規定を整備するものなどがございまして、一部を改正する条例は、全部で十二件となっております。  次に、第百三十五号議案から第百四十二号議案までが契約案でございまして、都立高等学校の改築工事、渋谷川整備工事など、八件となっております。  次に、第百四十三号議案から第百四十六号議案までが事件案でございまして、臨海新交通「ゆりかもめ」の延伸に伴いまして、都道の路線の認定及び廃止を行うもの、警察活動用としてのヘリコプターを買い入れるものなど、四件でございます。  次に、専決でございますが、東京都知事の給料の特例に関する条例は、都知事の給料の減額を四月一日から実施する必要があり、議会を招集するいとまがなかったため、専決処分したものでございます。  ほかに、東京都都税条例の一部を改正する条例がございまして、専決は二件となっております。  上程になりました二十五議案及び専決についての説明は以上でございますが、このほか、人事案を送付いたしております。  東京都固定資産評価審査委員会委員で、六月三十日をもって辞任いたします島崎茂氏の後任には沼田明氏を、坂本勉氏の後任には大島やよい氏を、藤原啓男氏の後任には沼崎和子氏を選任いたしたいと存じます。  同意につきましてよろしくお願いいたします。  以上で説明を終わります。よろしくご審議をお願い申し上げます。 ◯議長(熊本哲之君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。  お諮りいたします。  ただいま議題となっております日程第一から第二十七までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり各部門に分かち、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(熊本哲之君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第二十七までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。 (別冊参照)      ━━━━━━━━━━ ◯議長(熊本哲之君) これより追加日程に入ります。  追加日程第一から第三までを一括して議題といたします。    〔斉藤議事部長朗読〕 一、東京都固定資産評価審査委員会委員選任同意について三件      ───────────── 九財主議第一一九号 平成九年六月二日            東京都知事 青島 幸男  東京都議会議長 熊本 哲之殿    東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)  このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員藤原啓男が辞任するため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項及び第七百三十四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。        記      沼崎 和子        略  歴 本 籍 東京都 現住所 東京都府中市                  沼崎 和子              昭和七年七月六日生 昭和 三十年 三月 明治大学法学部卒業 昭和四十九年 三月 不動産鑑定士登録 昭和四十九年 十月 国土庁土地鑑定評価委員 昭和 五十年十一月 沼崎不動産鑑定事務所開設 昭和六十三年 四月 東京地方裁判所鑑定委員 昭和六十三年 十月 東京地方裁判所民事調停委           員 現    在    不動産鑑定士      ───────────── 九財主議第一二〇号 平成九年六月二日            東京都知事 青島 幸男  東京都議会議長 熊本 哲之殿    東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)  このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員坂本勉が辞任するため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項及び第七百三十四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。        記      大島やよい        略  歴 本 籍 東京都 現住所 東京都中野区                  大島やよい           昭和二十六年三月十四日生 昭和四十八年 五月 慶應義塾大学文学部卒業 昭和五十四年 十月 司法試験合格 昭和五十七年 四月 弁護士登録 昭和 六十年 六月 大島法律事務所開設 現    在    弁護士      ───────────── 九財主議第一二一号 平成九年六月二日            東京都知事 青島 幸男  東京都議会議長 熊本 哲之殿    東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)  このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員島崎茂が辞任するため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項及び第七百三十四条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。        記      沼田  明        略  歴 本 籍 東京都 現住所 東京都練馬区                  沼田  明             昭和五年二月十三日生 昭和二十八年 三月 東京商科大学卒業 昭和二十八年 四月 東京都入都 昭和五十四年 五月 衛生局次長 昭和五十六年 六月 生活文化局次長 昭和五十七年 八月 監査事務局長 昭和五十九年 七月 衛生局長 昭和六十三年 七月 東京都退職 昭和六十三年 七月 東京都地下鉄建設株式会社           代表取締役専務 平成  六年 九月 大木建設株式会社顧問 現    在    大木建設株式会社顧問      ─────────────
    ◯議長(熊本哲之君) お諮りいたします。  本件は、いずれも知事の選任に同意することにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(熊本哲之君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の選任に同意することに決定いたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(熊本哲之君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。  受理いたしました請願九件及び陳情十八件は、お手元に配布の請願陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 (別冊参照)      ━━━━━━━━━━ ◯議長(熊本哲之君) お諮りいたします。  明四日及び五日の二日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(熊本哲之君) ご異議なしと認めます。よって、明四日及び五日の二日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。  なお、次回の会議は、六月六日午後一時に開きます。  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。    午後六時十五分散会...